暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第27話 『それは秘密』
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んなにも優秀な彼らが何故、コタロウとともにいるのかが気になった。
 それにはまず、コタロウについて聞いてみようかと彼女は口を開く。


「コタロウは昔からあんな感じだったんですか?」


 2人の手が止まった。
 しかし、止まったのは一瞬で、ジャニカが食後のコーヒーを要求し、ウェイターを遠ざける。
 空気は重たくはない。ただ、そろそろと足元のつま先から何か冷たいものを感じ始めた。


『あんなものじゃなかった』
「……え?」


 彼らの口調が変わり、講義をする教授のように話しかける。今までと違い、彼女を対等に扱わない話し方だ。


「ヴィータ三等空尉」
「は、はい!」
「時空管理局はとても過ごしやすいと思わないかい?」


 漠然とした問いで、人間によっては肯定も否定もできる。
 今度はロビンが口を開く。


「衣服、制服が支給され――」
「食事は食堂、あるいは自販で買うことができ――」
「住まいも管理局配下の住居、もしくは寮が与えられる」
「そして、他に欲しいものがあれば、ネットワークを使って取り寄せることができる」


 管理局は衣食住が完備され、生活に事欠かないことを告げる。
 改めて考えるとそうだと思う。管理局は所属よっては(つら)く、艱難(かんなん)な部分はあるが、勤務意欲を向上させる福利厚生は割と万全で、(こころざし)とは別として、安定性を求めて入局する人たちもいるくらいである。
 生活面だけを考えれば、かなり恵まれていると思う。


「はい。そういう意味では過ごしやすいと思います」


 ヴィータは最初の質問に頷いた。
 ジャニカとロビンも頷く。


『そう、特に()()()()()()()()()、生活することができる (わね) 』
「……会話を、すること、なく?」


 気付けば足元にあった冷気は膝下まで感じるようになった。これはトラガホルン夫妻が出したものではない。自分の発言が招き寄せたのだ。


『コタロウは俺 (私) たちと会うまで、会話をしたことがない』


 一瞬、彼らの言葉がすんなり耳に入ってこなかった。
 周りの時間は短くとも、彼女自身は多くの時間をかけたような感覚で言葉を理解し、


「……え……いや、う――」
「私たちに話すような話し方は3カ月かかったわ」
「それが身に付いているのに気付くまで、さらに1カ月」


 『うそ』と言おうとするヴィータの言葉を遮り、彼の言葉遣いを習得した期間を話す。ジャニカが自身を『俺』と言ったことに彼女は気付かなかった。
 確かに、言葉遣いというのは会話の中、或いは教えられることによって身に付き、使
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