暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第27話 『それは秘密』
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理が豪華なわけじゃない。優秀な人間が多くいるのさ」
「大切なのは引き抜いたのではなく、育て上げたことよ」
葡萄ジュースを口にしながら、ジャニカとロビンは互いに睨みあう。
そして、この夫婦である。交差する言葉は常に皮肉に皮肉を重ね、いがみ合っているようにしか見えないのにも関わらず、彼は一度もレディ・ファーストを破ることはない――まわりは守らない人間が少なくない。
「追加のデザートで、パイを御馳走してやろうか」
「さて、そんな粗末なパイと食べるのは、はたして私なのかしらね?」
デザートなんだから全員食べればいいんじゃないのか? と不思議に思うヴィータは念話でコタロウに聞くと、実際に食べるわけではありません。と夫婦のやり取りをを見届けながら答える。
[粗末なパイを食べる (
eat
(
イート
)
・
humble
(
ハンブル
)
・
pie
(
パイ
)
) は『平謝りする』という意味ですよ。なので、負けを認めさせてやる。という歓談の合図になるかな]
[それは、喧嘩開戦の合図なんじゃないか?]
[『そう見える時もある』と、ジャンとロビンは言いますね]
レストランだからか、自分たちのテーブル内にしか聞こえない声で話すも、ヴィータからしてみればやはり喧嘩をしているようにしか見えないやり取りが続いた。
「ジャンの出版した参考書は穴だらけのチーズ以外の何物でもない」
だとか、
「ロビンの出演した民俗学講義のテレビ視聴率は、かつてない程最低なものだったそうじゃないか」
といった口論だ。ヴィータの知らない知識が飛び交い、その特殊な言い回しは彼女を感心させる。分からないときはコタロウに聞けば、その慣用句の意味を教えてくれるのだ。この夫婦の言葉の応酬も夫婦なりの愛情表現に見えてくる。
そして、この遣り取りも緩やかに終着すると、話題は六課の話になり、ヴィータやコタロウが今日までの生活を料理を楽しみながら、談笑を交えた。もちろんコタロウが笑うことはなかったが。
途中、コタロウが席から離れたとき、ヴィータがうちのシャマルとリインにやけに気にいられていると話すと、
「コタロウ――このような場ではネコとは呼ばない――に女性が、ねぇ」
「それは恋愛対象をしてかしら?」
「いえ、というよりは……」
「兄妹のようなもの?」
こくりと頷く。2人に懐かれているという表現のほうが似合うかもしれないと彼女は付け加える。体裁はあっても彼女たちは憚らないのだ。
「コタロウにとって良い刺激になるな」
「そうね」
2人とも満足そうにデザートを口に運んだ。
この夫妻はコタロウのことになると、手を取り合ったように協調し合うのも不思議なことである。ヴィータはこ
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