暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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ゅっと一度口を結んでから、小さく首を振る。


「溜まっていた疲労、続けてきた無茶が、なのはちゃんの動きをほんの少しだけ鈍らせちゃった」


 ここからは機密情報ではない、シャマルの医者としての情報である。一般的に個人の情報を公開することは禁止されているが、なのははこの映像の公開を医療の発展のため、ひとつの検体サンプルとして許可していた。
 シャマルはその内容を公開する。


『……ぅ、ぁ』


 見たこともないなのはの状態に新人たちは声を漏らす。胸部は包帯で巻かれ、口にあてがわれた酸素マスクからは呼吸のたびに白くなり、その割には肺は活動していないかのように微動だにしていなかった。


「なのはちゃん、無茶して迷惑かけてごめんなさいって、私たちの前では笑っていたけど……」


 飛べるかどうかもわからず、立って歩くことでさえままならないかもしれない状態であったとシャマルはなのはのリハビリ風景も交えながら口を開く。今度の映像には声も混じり、悲痛の声の中、転んでは立ちあがるなのはのリハビリ映像に目を閉じ、耳も塞ぎたかった。
 スバルたちが目を泳がせたところで、映像を閉じた。


「無茶をしても、命を賭けても譲れぬ戦いの場は確かにある。だが、お前がミスショットをしたあの場面は自分の仲間の安全や――」


 ゆっくりとティアナは声のするほうを向き、焦点を合わせる。


「命を賭けてでも、どうしても撃たねばならない状況だったか?」


 ホテル・アグスタでの自分の行いを反芻し、


「訓練中のあの技は、一体誰のための、何のための技だ?」


 今日の模擬戦で実行した戦略と技を思い出し、一瞬の強張りの後、全身から力が抜けていくのをティアナは感じた。


「…………」


 目を閉じ、恥じる。


「なのはさん、みんなにさ、自分と同じ思いさせたくないんだよ。だから、無茶なんてしなくてもいいように、絶対絶対みんなが元気に帰ってこられるようにって」


 その先もシャリオは続けたが、聞かなくても、なのはがどのような考えで、これから自分たちをどうしようとしていこうかという思いはひしひしと伝わっていた。






 しばらくして、フォワード部隊の解散報告を受けた後、新人たちを残してシグナム達は姿を消す。


「……ティア」
「ごめん、ちょっと外で風に当たってくる」


 彼女は(うつ)ろに立ちあがり、ロビーを後にするも、スバルは止めはしなかった。


『…………』


 エリオとキャロも何も喋らず、彼女を見送ると、フェイトから帰還したと念話が入る。


「あの、フェイトさんたち帰ってきたみたいです」
「……そう」
「い、一応解
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