暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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通に会話をしていてもエンジンと風の音で後方には聞こえることはなかった。


「――ヴァイス。もう出られるな」
「ん、乗り込んで頂ければすぐにでも!」


 シグナムの確認に彼は大きく頷く。
 なのははヘリに乗る前、ティアナに一言口に出そうとするが、今度はヴィータに頑として押さえつけられた。フェイトが念話でエリオとキャロにフォローをお願いするなか、ヘリは飛び立っていった。


「……目障りだ。いつまでも甘ったれてないで、さっさと部屋に戻れ」


 上体は起こしているものの、いまだに立ちあがることができないティアナにスバルが寄り添っている。


「あの、シグナム副隊長、その辺で……」
「スバルさん、とりあえずロビーへ……」


 エリオとキャロは自分たちがこの場を治めることはできなくても、流れは変えることができると思い、フェイトからのお願いも含め、ひとまず声を出してみた。


「シグナム副隊長」


 シグナムはぴくりと眉を動かして、立ち上がって正面を向くスバルの目を射抜く。


「なんだ」


 迷いの無い彼女の視線は、はじめは決意のあったスバルの瞳を歪ませる。たまらずシグナムの視線から逃げ、目を泳がせながらもスバルはぽつりぽつりと口を開いた。


「命令違反は絶対ダメだし、さっきのティアの物言いとか……それを止められなかった私は確かにダメだったと思います……」


 昼間のような怒りではなく、反省と自己嫌悪の気持ちが声の震えからもスバルは自覚できた。


「だけど!」


 訴えること、自分の意見を聞いてもらうことの為には視線は落としたままではいけないと、彼女は顎を上げてシグナムの瞳に自分の瞳を合わせた。


「自分なりに強くなろうとするのとか、きつい状況でもなんとかしようと頑張るのって、そんなにいけないことなんでしょうか!」


 自分の言いたいことは間違っていないはずだと言わんばかりに疑問形にはせず、声を大きくする。


「自分なりの努力とか……そういうことも、やっちゃいけないんでしょうか!」


 しかし、今日の認めてくれないような出来事を思い出し、段々と声が小さくなっていく。言い終わった後は嗚咽が小さく響いていた。


「自主練習はいいことだし、強くなるための努力はすごくいいことだよ」
『…………』


 この場にいないはずの声に気付いて、そちらを向くと、


「シャーリーさん」


 彼女がそこにいた。そして、彼女の後ろのほうには階段を下りていくコタロウの背中が見えた。


「持ち場はどうした?」
「メインオペレートはリイン曹長がいてくれてますから」


 すみません、一部始終聞いてしまいました。
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