暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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リポートで、エリートでもなければ、ナカジマ二等陸士、モンディアル三等陸士のように強くもなく、ル・ルシエ三等陸士のような稀少技能(レアスキル)も無いと言っていました」


 自分を凡人と認めたティアナの言葉だ。


「グランセニック陸曹にも、『自分は凡人だ』と言っていたみたいですね」
「……あ、はい」


 靴を脱いで、中も乾かそうとする。視線はティアナではなく、靴の中だ。


「私はあなたが凡人であることを否定しません」
「…………」
「自分がそう思っているのであれば、それで十分だからです」


 靴は衣服と違い、もう少し時間がかかりそうだ。


「あなたは誰の能力も持ち合わせておらず、ただの凡人です」
「…………」


 昨日、塞がった傷が開こうをしているようで、ティアナは顔をゆがませ、なのはが止めに入ろうとするが、


「しかし、ランスター二等陸士はセンターガード故、全ての能力を使う事ができます」
「――っ!」


 大きくティアナは目を見開いた。


「クロスレンジの力も、対応できない高速の中も、稀少技能である竜召喚もあなたは自分の前後左右にいる仲間にお願いするだけで、叶えることができます」


 靴は乾き、開いたまま傘を地面に置くと――風は手放したところで消えている。


「あなたはその全てを兼ねています」
『……え』


 周りが声を漏らすなか、コタロウは靴をはき、片足で跳躍しながら耳の水抜きをする。これは新人の皆さんにも言えることですが、と言葉を繋ぐ。


「地球の言葉を借りるのであれば、『綺羅、星の如し』と言いましょうか。あなた方の背後には星のように隊長たちが居並び、守っています」


 ティアナたちは気づいたように隊長たちを見た。


「ランスター二等陸士は、兄、ティーダ・ランスター一等空尉の妹であると先日知りました。彼は亡くなり、星よりも遠い場所にいますが、あなたの頭の中にはしっかりを残り、あなたの性格として受け継がれているはずです。それは両親から受け継がれた遺伝子も同じですね」


 今度はフェイト、エリオも目を見開く。


「せっかく、あなたの周りには多くの人がいるのですから、頑張らなくてもよいはずです。一言お願いすれば、自身は能力を発揮できなくても、助けてくれる仲間や友達がいるのですから」


 コタロウは自分の周りには同じ工機課の4人とトラガホルン夫妻の2人、そして片手で足りるくらいの知り合いしかいないことは口には出さなかった。


「そういう意味すべて含めて、頑張らないでくださいといいました」
『…………』


 衣服は残らず乾き、全身を見まわしてからパチンと傘を閉じ、左腰に差した。
そこ
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