暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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る。しかし、厳密には空中路(ウィングロード)に近く、足元に片足ほどの地面をつくりだし、その上を歩く。垂直に上がるときは、梯子(はしご)を登るように足踏みをして地面から距離を取るのだ。


「……ごへ」


 無言で地面に足を着くと、口から魚を吐きだした。そしてその後、ごほごほと思い切りせき込む。


「す、すみませんでしたーー!」


 スバルはコタロウの背中をさすり、少しでも和らげるように努める。
 さすがに今は彼女が何について悪いと思っているかは理解できた。


「コホ、許します。それで……私に何か?」
『(えー!? 怒らないの?)』


 内心それは怒ってもいいんじゃないかと思うが、あえて口には出さなかった。
 しばらく背中をさすっていると大分治まってきたようで、(せき)も引いてくる。もう、大丈夫ですと断った後、すくりと立ちあがり、申し訳なさいっぱいで半泣きのスバルも立ちあがらせる。


「何か、ご用件があったのではないのですか?」
「……ぐすん、ふぁい。ありました」


 服を乾かす許可をなのはから得てから、パチンと傘を差す。


「乾かしながらお伺いしますから、話してください」
「……はい。コタロウさん、以前も『頑張らないでください』って言ってたじゃないですか?」
「はい」


 こくりと頷き、傘に『夏昊天(なつのこうてん)、天気ハ晴レ、風ハ下降』と指示を出すと、傘から風が吹き出た。それを知らない人は少々驚く。


「それで、それはどういう意味で言ったのかなと」
「ふむ」


 帽子を腰のベルトに引っ掛けながら乾かすコタロウは風に目を細める。


「高町一等空尉は頑張れという言葉の次に、『離れてても、通信で繋がってる。ピンチの時は助け合える』と(おっしゃ)っていました。ジャンとロビンもよく言います。『自分にできることはやる。できないことは頑張らずに仲間に頼む』と」


 ジジっと胸元を僅かに開けて中にも風を送る。髪は既に乾いており、緩やかにカーヴを描いている。


「ですので、『頑張れ』に対して『頑張らない』と言いました。適宜、『お好きなほう』を選べばよいのです」


 キャロはその時、選ぶ行為そのものを学んだ。だが、コタロウはそうではなく、自分のできる部分を見極め頑張ること、相手を信頼してお願いすることを意味していたのだ。


「そして、これは私が初めて機械ではなく、人と多く接する場、つまりこの六課で思考したものですが、ランスター二等陸士が一番、それを学んでいると感じました」
「わ、たし、ですか?」


 頑張る要素とそうでない要素を学ぶ、なのはの指示を一番よく守っているとコタロウは言う。


「昨日のヘ
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