暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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た。


「あの、コタロウさん」
「はい」
「何で知ってるんですか」


 スバルが全員の代表のように質問すると、彼は特に不思議がる様子もなく、


「フィニーノ一等陸士の付き添いで、デバイスを見ているのですが、レイジングハートさんだけ、自己判断で使用者、つまり高町一等空尉にショックアブゾーバーを展開していました。それは砲撃時のほんのコンマ数パーセントの魔力をそこに独自で割き、自身で衝撃を吸収しています。そのアブゾーバーの重心から判断するに、使用者の胸を重点的に展開していたので、過去に大きな傷を負ったのではないかと見地しました」
『…………』


 黙って彼を見るなか、なのはは首にかかっているレイジングハートをみる。


<申し訳ありません。マスターの命令なしに行なっていました。完治はしているのですが、いざというときのためを見越してです>

「うん、それは、いいんだけど……」


 今まで使用していて数年間、全くそれには気付かなかった、いや、レイジングハートも使用者に分からないほど微弱に展開していたものに気付く。その行為に少し驚いた。
 周りもそれを聞き、理解できるも、彼の以前見せた機械的見地に再び目を見張る。
 彼にとってはほんの確認要素でしかなかったが。


「ランスター二等陸士」
「はい」


 次にティアナのほうを向く。


「グランセニック陸曹より伝言があります」


 その言葉に、あっと声を漏らす。
 模擬戦前、傘を借りた後に彼が言おうとしたものだ。おそらく「無理はするな」といった類の言葉だと思い、少し遠まわしに断ったことを思い出した。
 今では、昨日のこともあり、それは自覚していた。


「頑張らないでください」
「……はい」


 やはりそのような言葉であったとゆっくりと頷く。


「は、さっきなのはが頑張るって言ったのによ」
『…………』


 ふふんと笑って歩き出すヴィータの言葉に、新人たちは『あれ?』と首を傾げた。


『(……なんだろう? どこかで同じことあったような……)』


 なのはとフェイトもどこかしら記憶にあり、不思議に思う。


『(なんか、記憶にあるなぁ)』


 疑問に思いながらも、コタロウはこれ以上話すことはなく、隊長たちを先頭に歩きだす。訓練の時だけはコタロウは隊長たちのすぐ後ろ、新人たちよりも前を歩く。




――『新人の皆さん』
――『頑張らないでください』
――『はい! ……え?』
――『コタロウさん、頑張らないなんてそんなありきたり……え?」
――『あの、一応、俺やなのはさんは『頑張って』と……』


 それは初出動の時である。
 全員、どんな言葉に
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