暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第25話 『綺羅、星の如し』
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し、教官っていうのも因果な役職だよなぁ。面倒な時期に手ェかけて育ててやっても、教導が終わったら、後はみんな勝手な道を行っちまうんだから」
「まぁ、一緒にいられる期間があんまり長くないのは、ちょっとさびしいけどね」


 なのは、ヴィータ、シグナムが訓練場の階段を上がったところにおり、コタロウは階下の海辺近くでぼけりとなのはからの指示を待っていた。


「ずっと見ていられるわけじゃないから、一緒にいられる間は、できる限りのことを教えてあげたいんだ」


 データを打ち込んだのか、コタロウに合図を送ると本日のメインとなる訓練施設を形成する。準備が整ったところで、新人たちが寮から走ってくるのが見えた。


「おはようございまーす!」
『おはようございまーす!』


 スバルに合わせて全員が走りながら挨拶をした。


「おォ、来たか」
「おはよう」


 ヴィータが全員に、今日の訓練の辛さを(ほの)めかすのを見ながら、なのはは思う。


(何があっても、誰が来ても、この子たちは()とさせない。私の目が届く間はもちろん、いつかひとりでそれぞれの(そら)駆ける(とぶ)ようになっても……)


 この子たちを力を最大限に引き出すためにはどうしたらよいか考えることは、これからもあるかもしれない。だが、それでも一歩一歩確実に前を見て強くしていこうと決意を改めた。


「さぁ、今日も朝練頑張るよ!」
『はい!』


 そうして、海上に浮かんだ訓練場へ足を運ぼうと階下へ降りるとき、


「――あ!」


 スバルは1人の男性が目に入り、声を上げる。


「スバル?」


 ティアナの呼び掛けを無視して、階段を使うことなくそこから飛び降りた。


「コタロウさん!」
「はい」


 飛び降りることで誰よりも速くスバルはコタロウに近づくと、膝をついて手を床につき、


「昨日はすみませんでした!」
「…………」


 ぞろぞろと後ろに続くなのはたちを余所に、土下座をして頭を地面につけんばかりに謝る。


「なのはさん、頑張ってました!」
「え? 私?」
「私が何か、ナカジマ二等陸士に謝られるようなことをしていたのであれば、許しますので、立ちあがっていただいてもよろしいですか?」
「……はい」


 顔は上げずにしょんぼりとスバルは立ちあがる。


「アンタ、何したの?」


 状況を読み切れていない隊長、新人たちのなか、ティアナが口を開いた。スバルは両手の人差し指をちょん、ちょんと何度も付け合わせながら、


「あのぅ、そのぅ……」


 ゆっくり昨日の、昼間の出来事を話す。







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