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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第24話 『首肯、凪の如し』
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た腕の温もり、肌で感じる空の冷たい空気、腕の合間から見える夜空の星々全てがスバルの緊張を解き、安心を促す。
――(弱い自分がとても情けなく見えた)
救助隊に救急車で運ばれた時は、再び救助に戻るため飛び立つ彼女の背中を見て、悔しくて泣いた。
――(強くなろうと思ったのはその時からだ)
スバルは医務室から出た後、近くの休憩室に座り込んだ。おそらく、エリオとキャロの模擬戦はもう終わっているだろう、今は昼食の時間であるが、空腹感はない。
担
(
かつ
)
いだティアナは気絶よりもむしろ、死んだように眠っている状態で、あまりにも静かな呼吸だったのでスバルは心配で仕方がなかったが、シャマルが言うに「今までの疲れがでた」といったもので大事ではないらしい。
それでも彼女はティアナの事が心配だったが、
(なのはさんは、なんで、あんな……)
なのはの感情を切り捨てた抑揚のない表情を思い出すと、何も読み取ることができないことに苛立ちを覚え、一瞬、手に持った一度も口をつけていないコップを握りつぶしそうになる。
背中を壁に寄り掛かせながら、ごちんと後頭部を壁にぶつけた。
(……そんなにいけないことだったのかな)
ティアナと自分の努力と頑張りがあまりにも呆気なく終わり、問いただしてみても、明解なものは何も浮かびあがってはこなかった。
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第24話 『首肯、凪の如し』
なのははフェイトがエリオとキャロの2人と模擬戦するのをヴィータと2人で見学していた。
フェイトは元々、なのはやヴィータのように教導を専門としていない。だが、それにも関わらずエリオとキャロに的確な教導を行なえるのは、彼女が2人の特性をよく理解していることと、そもそも教えることに苦を感じない性格を持ち合わせているためだ。彼女が元々面倒見が良いことも付け加えることができる。
『…………』
そして、その間ヴィータはなのはが自分のすぐ隣にいても口を開かなかった。ただ、フェイトと交替するために着地した時は、フェイトと合わせてなにか口を開こうとしたが、それも結局何もなかった。
なのはのほうも同様で、口を開くことはなくじっと3人の模擬戦を見守っていた。
「……それじゃ、午前中はここまで」
ほどなくして3人の模擬戦も終了し、フェイトはエリオとキャロに今回の改善点と次回への課題を説明すると、お昼にして構わないと言い渡す。
「高町一等空尉、4人の模擬戦のデータ、および編集データをレイジングハートさんに転送しておきました」
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