暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第23話 『想念、昊の如し』
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ティアナは感情のままに魔力を解放、弾を生成した。
しかし、なのはのほうは感情的ではなく落ち着いており、複数弾生成にも関わらず構築が早い。
「シュート」
ティアナが引き金を引くよりも早く、なのはは弾を放った。
そして逃すことなく全弾命中する。
「ティ――バインド!?」
「じっとして、よく見てなさい」
自分の行動を阻もうとするスバルにバインドをかけ、身動きをとらせない。
(こうしたかったんじゃない、こう教えようとしたんじゃない)
いくら制止させようとしても、態度が感情と結びつかない。
自分の指先に魔力が収束していく。
「なのはさん!」
なのははスバルの声が耳に入ってきても自制することはできなかった。
ティアナは生成した魔力を先ほどのなのはの一撃によって相殺され、ふらふらとなんとかバランスを保ち、立っている。
ぼんやりとなのはを見つめながら。
『(違う(そうだ)、私はただ……)』
なのははドンという音とともに収束砲を放った。
ティアナは避けようと思っても身体は動かず、向かってくる砲撃の光が視界を占めていく。
『(私はただ……
貴女
(
あなた
)
にそれを知ってほしいだけ)』
互いの思いは一致したが届くことはなく、なのはの放った砲撃だけがティアナに届き、彼女が立っていた空中路から重力に逆らわずに落下した。
スバルが立っている近くの空中路に倒れ込む瞬間だけ、痛みが無いようにティアナはふわりと倒れ込む。
「ティアァァ!」
スバルの叫び声はなのは、ティアナには聞こえず、見ているフェイトたちにのみ響き渡った。
倒れたティアナに近づいてもバインドがかけられているため、手を差し伸べることもできずに見下ろすことしか彼女にはできない。
「模擬戦はここまで。今日は2人とも撃墜され終了。コタロウさん、いつも通り後でデータをください」
淡々と述べるなのはの声には
抑揚
(
よくよう
)
がなく、
「…………」
涙を流しながら無言で睨みつけるスバルの視線と目を合わせた後、ふとなのはは天を仰ぐ。
春を過ぎて夏が近いせいか日は高かった。
人の思いや考えは例え感情、雰囲気を感じ取っても、
掴
(
つか
)
めるものではない。
もちろん、声を聞いたからといって理解できるというものでもない。
それは
昊
(
そら
)
のように大きく、広いのだ。
只
(
ただ
)
、ほんの少しの
切欠
(
きっかけ
)
でお互い歩み寄ることができ、近づくこともできる。
思いや考えを知ろうとすることは難しくもあり、簡単でもある。
“
想念
(
そうねん
)
、|昊《そら
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