暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第23話 『想念、昊の如し』
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とっていることに驚くが、






(な、なんで?)


 なのはは2人の考えている戦略が自分の考えていることと同じであると確信し、表情を変えないまでも、動揺をしてしまう。


(あれは、フェイク)


 見ているフェイトたちと違い、これから起こす2人の、特にティアナの行動が手にとるように分かった。






[特訓の成果。クロスシフトC、行くわよスバル!]
「おォ!」


 ティアナの念話に咆哮(ほうこう)で応え、スバルはリボルバーナックルから弾式魔力(カートリッジ)装填(ロード)する。
 彼女が装着しているマッハキャリバーは勢いよく回転し、敷かれた空中路を駆け抜け、なのはとの距離を詰める。
 その威力を相殺するかのようになのはは魔力弾を放つが、スバルはそれをすり抜けて思い切り彼女に右拳を突き込んだ。


「ぐぐ、ぐゥ!」


 なのはは先ほどと同様、シールドで防ぐ。


[ティアァァ!]


 念話で彼女は合図した。






 ビル上のティアナの投影(シルエット)が消えたところで、


「あっちのティアさんは幻影!?」


 キャロが叫ぶとエリオが周囲を見回す。
 見つけたティアナは空中路を走り抜けていた。






(バリアを切り裂いて、フィールドを突きぬける!)


 駆け上がりながら、ティアナは装填(ロード)して今は一丁拳銃のクロスミラージュからナイフを魔力で生成する。


(――一撃必殺!)


 なのはよりも上空でティアナは振り返りながら相手を見定め、重力の力と脚力を加算させて攻撃を仕掛けた。






 なのはは背後から来る気配を感じながら、疑問が治まらないでいた。


(どうして、こんな中長距離から近距離に戦いを移す危険な戦略を? 私はこの考えに至らないように、教えてきたのに――)


 隠れて練習をしていたのは知っていたが、こんな戦略を立てたことに内心激しく動揺する。


(ホテル・アグスタで注意したときだって、『分かった』って思っていたのに)

「レイジングハート、状態解放(モードリリース)

<わかりました>


 気づけば彼女は愛機を解放していた。
 レイジングハートは珠玉に戻る。


(……思っていた?)


 背後から聞こえるティアナの気迫を込めた声は聞こえず、



――『あぁ、何せ感性が感情と表情をうまく結び付けてくれないからなぁ』
――『でも、近道をしなければ彼を知ることはできるわ』



 両親の言葉が頭の中に鈴のような音を奏でて響き渡った。


嗚呼(ああ)、そっか
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