暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第23話 『想念、昊の如し』
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風を起こします」


 雨を降らせた時点で服についても考えていたらしい。ティアナは彼の言ったとおりに命令すると、すぐに服は乾き、ある程度体力が回復したことを実感する。


「ありがとうございました」


 彼女は彼に傘を返し、屈伸(くっしん)を始め特訓の続きをするためにクロスミラージュを握りなおした。


「ティア、もう今日は……」
「ごめん。次の模擬戦までにどうしても成功率を上げなきゃならないから」


 スバル、お願い。と言われると彼女も断れず、顎を引く。
 2人はコタロウにぺこりと頭を下げて、背を向けたとき、


「ランスター二等陸士、グランセニック陸曹より伝言が――」
「すみません。今は模擬戦に向けて力を注ぎたいんです。その後でもいいですか?」
「……ふむ。問題ありません」


 ティアナはヴァイスが自分に対して何を言おうとしているのか大体予想が付いていたので、先ほどのコタロウの対応とは話が別だというように話を終わらせる。


「行くわよ、スバル!」
「う、うん」


 彼女たちはまた練習を再開した。






△▽△▽△▽△▽△▽






「さて、午前中のまとめ。2ON1(ツー・オン・ワン)で模擬戦やるよ」


 結果的に、ティアナの考えた戦略の成功率はぎりぎり6割まで引き上げることができた。蓄積された疲労を考えてのことなので、昨日早めに休んだこともあり、成功率は幾分かそれよりも増すだろうというのが2人の考えである。


「まずはスターズからやろうか」
『はい!』


 なのはな空中でティアナとスバルに防護服(バリアジャケット)の準備をするよう指示を出す。


「エリオとキャロはアタシと見学だ」
『はい!』


 一緒に訓練をしていたヴィータが2人に下がるように言うと、3人はコタロウがデータを収集しているビルに上り、空を見上げる。


「――あ、もう模擬戦始まっちゃってる?」
「フェイトさん」


 遅れてフェイトも駆けつけてきた。


「私も手伝おうと思ってたんだけど……」
「今はスターズの番」
「本当はスターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね」


 ああ。とヴィータは頷く。2人は新人たちの教導をとるときに同時にお互いもよく見ていた。その中でもなのはの訓練密度が自分たちに比べて特別濃い。自分たちでできることならば交代して、気休め程度にも休ませてあげたかった。


「なのは、部屋に戻ってからも、ずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ」


 彼女はコタロウが編集したデータを使用することなく、自分で練習を確認して訓練メニューの作成や新人たちの陣形のチェックをし
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