暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第22話 『掩蔽、雲の如し』
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く。


「ジャン、痛い」
「反省を食い下がるのはいいが、3回以上は時と場合だ。この場合は(とが)めがない事を喜んで引き下がって良し」


 コタロウはうぅむとしばらく悩んだ後、謝辞を述べて敬礼して場を収めた。


「その傘って、ハリセンにもなるんか? あ、いや、余計やった。それで、その人物の顔は覚えてますやろか」
「はい。傘、剥離(アンマウント)仮紙(ダミーペーパー)


 こくりと頷き、傘に命令すると、離れた生地は鳶色(とびいろ)から白く変わり、紙になる。
 そして、床に広げてぺたりと座り込むと、ペンを片手に――もともと片手しかない――ザザという音とともに描き出していった。


「これも機械士の実力、か」
「こんなんばかりなんよ」


 今度ばかりははやては驚かず、ヴェロッサが驚き、トラガホルン夫婦は表情変えず紅茶を飲み干していた。


「ふむ。このような方でした」
「お前、絵も描けるのか?」
「召喚獣、やろか。いや、追っているのも召喚士やからそれが妥当やな」


 設計製図(トレース)補助も行ないますので。と紙を見せながらコタロウは頷く。
 その後、立体感のある絵をデータでシャリオに送ると、同時に帰る準備が整った知らせを受けた。


「俺らも帰るかね、仕事もたまり始めたろうし」
「主に貴方の不備が発生した書類ね」


 どうだか。とはやてに合わせて夫妻が立ち上がり、ロビンが気付く。


「でも初めてね。ネコが実戦をしたなんて」
「ああ、そうだな。少なくとも出会ってからは」
「え、うん。うん? そ、か。いや、思い出したよ。初めてだ、僕。模擬戦以外で人と戦ったの」
『快挙だ』


 夫婦が驚くなか、はやて、ヴェロッサ、ヴィータは頭を傾げる。


「ん、戦ったって言ったけど、お前、強いのか?」
「わかりません。少なくとも、私はジャンとロビンに勝ったことはありません」
「ネコはいつも防戦一方だもんな」
「うん」


 次にヴィータが夫婦に聞こうとするとはやてが止めて、首を振った。


「2人とも、私と同じや」
「え゛?」
「聞いたことないか? 『Quad(クアッド)(エス)天魔使(てんまし)
「本局のほうだと、夫婦であることが有名すぎて、この名前は一人歩き。顔を知っている人は少ないんだよ」


 はやても今日、夫婦に会う前にヴェロッサから聞いたばかりである。
 まだヴェロッサも直接2人の戦闘を見たことはないことから、六課の誰一人として知っている人はいないだろう。






△▽△▽△▽△▽△▽






――『ティアナは時々、少し一生懸命すぎるんだよね。それでちょっとや
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