暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第22話 『掩蔽、雲の如し』
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「お待たせいたしました。それでは、オークション開催です」


 司会者がゆっくりと壇上中央まで歩き、トントンと簡単にマイクを叩いて調子を確認してから、ホール全体を見渡しながら、開催を告げた。
 次の言葉を(つな)ぐ前に拍手が起こり、そのおさまりを見計らってから、オークションカタログに記載されているルールを読み上げる。
 競り落とした品の受け渡し方法や金額を上乗せる時の手段を話している間、司会者に目を向けずにカタログに目を落とし記載を追う者、自分たちが競り落とす予定の品を再度確認する者がいたりと、参加者の行動は様々である。


「外は問題なく終わったみたいだね」
「うん」


 先ほどシャマルから念話が入り、ホテルへの襲撃は阻止されたと連絡があり、なのはとフェイトはすこし警戒心を緩めた。
 それでも多少は問題は残ったが、防衛という最優先事項は守られたのだから、任務遂行結果としては十分である。


「問題の召喚士は今、探索中や」
「あ、お帰りはやてちゃん。と、アコース査察官?」


 見つけるのは難しそうやな。と声を漏らし、壇上を一瞥する。


「久しぶりだね、高町一尉、フェイト執務官?」
『お久しぶりです、アコース査察官』


 会場の雰囲気もあってか、なのはとフェイトは簡単な会釈で済ませる。


「ほんなら、区切りがいいところで、私たちは会場から抜けようか。なのは隊長は新人たちを、フェイト隊長は現場調査をお願いできるか?」
『了解』
「ふむ。忙しそうだね」
「どこかの査察官と違ってなぁ〜」
「こういう場で揶揄(からか)うなんて、はやても意地が悪いなぁ」


 苦笑するヴェロッサにすこし意地悪く笑うのをなのはとフェイトは見た後、2人はお互い顔を見合わせ眉を寄せてくすりと笑う。


「全く、仕様の無い妹だよ……でも、まぁ――」


 だが、今度はヴェロッサがしたり顔が3人を見た。


「では、ここで品物の鑑定と解説を行なってくださいます、若き考古学者の方々を紹介させていただきます」


 そのまま3人が彼と目を合わせると、彼は視線を壇上に移動させ、3人を壇上に向けさせる。


「ミッドチルダ考古学士会の学士であり、かの無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア先生です」
『――えっ!?』


 3人とも目を見開いた。


「サプライズには成功したかな?」
『ユーノ(くん)?』


 ヴェロッサは自分の言葉が3人に聞こえていないがわかるとさらに顔をほころばせた。


「それでは、ひとこと言葉を頂けますか?」と司会者に促され、ユーノと入れ替わる。
「あ、どうも、こんにちは、ご紹介にあずかりましたユーノ・スクライ
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