暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第21話 『涕涙、霖の如し』
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ちはみんなそうよね]
[ティア? なんか気になるの?]
[別に]


 ティアナは素っ気なく答えると、スバルは念話を打ち切った。
 彼女は今、1人という事もあり、待機命令中の間、考える余裕ができる。


(六課の戦力は無敵を通り越して、明らかに異常だ。八神部隊長がどんな裏ワザを使ったのか知らないけど、隊長格全員がオーバー(エス)。副隊長でもニアSランク……)


 考えると、それをサポートしている人たちもエリートばかりということを再確認し、目を閉じながら奥歯に力を入れる。
 次に周りの人間に思考が移り、


(あの年でBランクを取っているエリオと、稀少で強力な竜召喚士のキャロは2人ともフェイトさんの秘蔵っ子)


 なおかつ、自分のよく知るスバルは戦術に稚拙さが残るものの、潜在能力と可能性を秘めていることは日々の訓練を見ていても十分わかる。


(スバルは、優しい家族のバックアップもある)


 息を吸い、口を狭く深く息を吐く。


(やっぱり、ウチの部隊で自分が、私だけが……)


 凡人(ぼんじん)という、今まで何度も思えば打ち消してきた言葉をまた思い出す。


(『友がみな――』なんじゃない、私の周りにいる人たち全てが才気に溢れている!)


 小さく顔を横に振り、そんなことは関係ない。大切なのは周りの才能ではない。と思考を雲散させる。


(それでも、私は立ち止まるわけにはいかないんだ)


 そうして間もなく、ガジェットが攻めてきたと通信が入った。





 管制指揮はシャマルが執ることになり、シグナムとヴィータたち副隊長とザフィーラは、新人たちの防衛する領域よりも前線に自分たちの防衛ラインを引き、ティアナとスバルは2人がガジェットを自分たちより的確に破壊しているところをモニターで確認する。


「副隊長たちとザフィーラ、すごーい!」


 スバルはそれを見て、驚嘆する。モニターから確認できる黒煙が、耳に届く爆発音がそれを物語っている。


「これで、能力リミッター付き……」


 逆にティアナは愕然とする。見るというよりも見せつけられていると思わせる映像にしか見えなかった。
 今できることはそれに(こぶし)を握ることしかできない。






△▽△▽△▽△▽△▽






 ゆらゆらと黒煙が立ち上るのを見ている男と少女に、通信が入り、モニターにとある人物が映し出される。


「ごきげんよう、騎士ゼスト、ルーテシア」
「ごきげんよう」
「……何の用だ」


 その人物にゼストは挨拶することなく、用件を聞く。もともと用件がなければこちらからも、向こうからも連絡など来ない
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