暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第20話 『彷徨、鳳の如し』
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情報だけですと覚えにくいですね」
「……えと、まさか全員?」
こくりと彼は頷いてまたモニターのほうを向くと、ぶつぶつと魔法を唱えるように名前、経歴と顔を照らし合わせていく。
冗談かと思いきや、モニターを見て言葉に出すところをみると、どうやら本当のようである。それは先ほどはやてから全員に配られたオークションの参加名簿で、「覚えることが、未然に防ぐ可能性を引き上げる」とできれば目を通しておいてと渡したものだ。
「ヴァイスくん、多分それ本当に覚えてるから」
どういうことで? と訊ねるヴァイスに、なのはは自分が知っているコタロウの情報を話す前に、自動操縦に切り替えるように促した。
(あの人もまた、才にあふれる人。か)
△▽△▽△▽△▽△▽
アグスタに着いてからシャマルが一度ヘリからなのは、フェイト、はやてを除いて全員おろし、15分ほどたってから、ガタンと後ろのハッチが開いた。
「うわぁ、綺麗です。なのはさん、フェイトさん、八神部隊長!」
「そう、かなぁ」
「フェイトさん、すっごく綺麗です!」
「はい!」
「あ、ありがとう、キャロ、エリオ」
「どや? 馬子にも衣装やろ?」
「意味は分かりませんが、とっても似合ってますぜ、八神隊長」
「はいです〜!」
「全員、めいっぱいおめかしさせました!」
シャマルもえへんと胸を張って3人に胸を張る。
隊長陣3人は建物、つまりホテル・アグスタに相応しい格好に着替えていた。それぞれショートラインのドレスで薄いストールを羽織っているが、
色彩
(
カラー
)
からそれぞれの特徴を捉えたいた。
なのはは桜色をベースにワンピースタイプのドレスで内側にはバラ色のチューブ、胸下の白いリボンが胸を強調するかのように巻かれ、腕を組まなくても魅力的である。その腕にはストールを絡ませている。
フェイトは黒紫色をベースに肩に紐のないドレスが彼女を魅せ、佳麗さを拍している。黒が女性を引き立たせるのか、それとも普段の彼女のバリアジャケットと統一がとれているためかは分からないが、女性からみても息をのむ雰囲気を放っていた。
はやては薄い水色のなのはと同じワンピースタイプのドレスに胸元には
瑠璃色
(
るりいろ
)
のコサージュを付け、そこでリボンとストールを結っている。綺麗というよりもむしろ、
愛愛
(
あいあい
)
しいという表現がよく似合う。
「……えと、ん〜」
シャマルはその人が着替える前にはいたのに、着替えた後にはいないことに気付いた。
「あれ? コタロウさんは?」
「え、あー」
これを見せたかったのかとばつが悪そうに頭をかくヴァイスは片手を顔の前に出す。
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