暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第20話 『彷徨、鳳の如し』
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こともあれば、ヴィータのように口をヘの字に結ぶ時もあり、あえてそれを見ないようにリインを
揶揄
(
からか
)
ったりしていた。
また、ヴィータはシャマルのように近づいて挨拶することはないが、すれ違うとき必ず「よォ」と声をかけ、彼の左袖を一瞥していた。最近は挨拶のみであるが。
(私も何か変わったのかな?)
そこまで振り返って、トコトコとエアコンに移動するコタロウをみる。
彼は天井にあるエアコンに手を
翳
(
かざ
)
して空気の出を確かめると、するりと傘を抜き垂直に立て、器用にそれにつま先1つで乗る。
(凄い
安定感
(
バランス
)
。というより……)
「――あ! だ、大丈夫ですか? すぐ、さ……」
支えます。という言葉が出なかった。
(えと、支えるってどうやって?)
理由は気づいた通りで、垂直に微動だにしない傘をどう支えていいのか分からないのだ。近づいてはみたものの触れようとしたところでぴたりと止まる。
「はい。大丈夫です。修理は滞りなく済みます。『すぐ、さ』とは?」
「……いえ、なんでもありません」
「そうですか」
コタロウはフェイトの金色の髪から天井へ視線を移し、右腰後ろにある小さな鞄から1つ工具とりだし、外装を取り除く。
「傘、ワイヤーフック」
「…………」
だた傘の
露先
(
つゆさき
)
からワイヤーと外装を掛けるフックが出てきただけでも、フェイトはその光景に静かに指先を顎にあてる。
(足の、しかも指先から、デバイスに魔力を伝達? 安定感を維持しながら……)
その魔力の放出量は最小限に一定のものを送り出しいるのにさらに目を凝らす。
(そして……)
彼の足元から上半身、頭の先、つまり点検、調整をしているての指先へ視線を移した。
(修理する指先にはブレがない)
手先での作業、重心の安定、魔力制御を同時に行なっていることに顎を引いて
唸
(
うな
)
る。
(もしかして、この人、戦闘訓練させても凄いんじゃ……)
いやいや、まさか。と首を振って、思考を中断させた。今はそれより、自分の作業をこなさなければならないのだ。フェイトはぐいとその考えを頭の奥へ押しやり、彼に背を向けた。
その時、自分の後ろ髪にコツンと何かが当たったのに気づく。
「……ん?」
「うん?」
振り向くと、傘とコタロウがくの字に倒れかけていた。
(――う、うそ!)
自分の長髪が背を向けた時の遠心力で傘に当たったらしい、しかしコタロウはいつも通りの寝ぼけ眼である。
とっさに受け止めようとフェイトは両手を前に出すが、
「ふむ」
コタロウはネコ
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