暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第19話 『今日という日この時からは』
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められ、何人か致命傷を与えては見たものの、逃げることは難しそうである。


「管理局です。ガガル・トイカ、大人しく投降してください」
「…………」


 1人の青年が自分の前に立ちはだかった。


「貴方ご自身が許可もなく飛行している時点でご理解いただいているかと思います」
「…………」

(俺は相当前後不覚らしい。自ら目立つ行動を取るまでになっているとは。おそらく、この作戦も悪手だが、隙は生まれそうだ)


 自分が冷静を()いているのを自覚済みであるのにも関わらず、次の作戦を実行に移そうとする。
 ガガルは内紛中に身に着けた自衛手段を1つの油断生成に使用するのだ。
 外套(がいとう)に右手を突っ込み、


「動かず、デバイスを解除してください」
「……悪いが、逃げられると思っている」


 思い切り、奥歯を噛み締める。


「投降の意思なしと判断し――」


 それと同時にガガルの右手、相手の左手の方向の彼方から小さな赤い炎が噴きあがり、ガガルは相手が一瞬そちらのほうを向いたのを見逃さなかった。


(動作は(フェイク)だ)


 管理局で支給されている杖型のデバイスとは違い、身の(たけ)半分くらい細いデバイスを相手に向け、


「爆ぜろ」
「しまっ――」


 局員の目の前で酸素と魔力が混ざり合い、爆発した。
 彼は質量兵器の扱いに長け、魔力操作、制御も爆発を得意としている。
 ガガルの耳には2つの爆発音が音速差で同時に届いた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 コタロウは移動した当日からの作業を終わらせて工場からでると、親友2人が無言で立っており、1人は『傘』を持っていた。


「お疲れ様、ネコ」
「次はココか。1年間で10以上も出向先が変わるなんてお前の課ぐらいだぞ?」
「お疲れ様、ロビン。ジャン、正確には13箇所。今年は多いほうだよ。1年間異動しないときもあるしね」


 ジャニカ・トラガホルンとロビン・ロマノワの2人が結婚する前にルームシェアをやめたコタロウは、ここ1ヶ月2人とかなりの頻度で会っていた。


「さて、今日は何故ネコに会いに来たのでしょうか?」
「う〜ん」


 彼はジャニカが時々自分のために疑問を投げかけるので素直に考え込んだ。


(いつもなら、必ず事前に連絡をするけど、今回はしていない。というと何か僕に対して緊急の要求というのが妥当かな。ロビンは『傘』を持ってるし……)


 一度頷き、彼を見上げ首を傾げる。


「『傘』に不備?」
「残念、その逆」
「……完備?」
「『傘』が完備。言われると違和感があるな」


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