暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第19話 『今日という日この時からは』
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「あ、ありがとうございます」
「いえ、なによりです」
なかば呆然としているティーダに、コタロウはぺこりをお辞儀をして、
「それでは」
彼に背を向けて出口へ歩いていく。
「あ、っと、カギネさん」
「はい」
「……また、会えますか?」
ティーダはこの機械のような人間のプライベートに多少なり興味があった。
「工機課へ連絡していただければ、時間調節は可能です」
「え、あ、いや。プライベートで」
「構いません。
何時
(
いつ
)
にいたしますか?」
「お礼もしたいので、近いうちにでも」
コタロウとアドレスを交換して、ティーダのほうから連絡すると告げると彼はまた一定の足取りで出口へ向かった。
彼の次の出向先はヘリ等の航空機を扱う工場というのも聞いていた。
工場爆発はその日の夜、轟音とともに訪れて、沈んだばかりの太陽のように1つの区画を紅く染めた。
△▽△▽△▽△▽△▽
ガガル・トイカが初めて道を踏み外したのは10代の頃であるが、明確な年は覚えていなかった。
多感な時期だった彼は、もともと自分が魔力を保有している自覚もないまま、とある大人からの
虐
(
いじ
)
められたときに魔力が暴走し、人を
殺
(
あや
)
めたのだ。
しかし、あまりにも悲惨な虐めだったのか、殺めても罪悪感というものには
駆
(
か
)
られることはなく、残ったのは飲み物をこぼした後くらいの「あ〜あ」という後悔だけであった。当時、彼の里は内紛中で、1人死んでも彼の知る世の中は関心を示さなかった。
金銭的に困窮していたガガルは自らその能力を金銭なしには使用することを禁じ、金銭を稼ぐ方法を模索した。両親が自分に対して関心を示さなかったこともあり、ほぼ自由に行動することができた。
そして彼はデバイスを自ら作成して、自分の魔力を評価することのできる人間を探しに里を出る。その時も両親は関心を示さなかった。
不思議なことに管理局へは入局しようとは思わず、自らの力で仕事をこなそうとミッドチルダへ訪れたガガルは仕事を探してみると、どんなに選んでみても合法的なものはなく――もともと、自分でもこの能力で合法的なことは思いつかなかった――金品の強奪やその時の逃げる手伝いや、よからぬことを企てる人物の用心棒が主な仕事であった。
「今回は完全に失敗だ」
ガガルは3ヶ月前に依頼を受けた1つの集団の護衛に失敗したことで初めて自分の年齢がすでに
40
(
しじゅう
)
近いことを自覚した。
依頼者が30届かない人物であることに疑問を持つべきだったと、さらに後悔を強める。
なんとか3ヶ月逃げ切ってみたが、精神的には既に限界であった。
ガガルはじりじりと管理局員に追い詰
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