暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第19話 『今日という日この時からは』
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丈夫。今日頼んでくるよ」
「忙しいのに?」
「ふふっ。管理局にはいろんな人がいるのさ」


 2人は紅茶を飲み終えた後、『いってきます』と誰も居ない玄関に笑顔で呼びかけて、別々の道を歩み始めた。






△▽△▽△▽△▽△▽






 ティーダは自分より年下であるにもかかわらず、勤務年数が今年で11年になる三等空士(・・)に興味を持ち始めていた。



 それは数日前、3ヶ月集めた情報を1つにまとめかたに悩んでいたときのことだ。
 本来なら現場部隊であるティーダはメカニックの下につく雑務要員のその人とは直接知り合う機会はなかったのだが、ふと自分の目の前を通り過ぎる男が40ほどのデバイスを抱えてメンテナンスルームへ消えていくのをみて、興味本位から少し間を空けて入ったとき、


「グーナルド二等空尉は左ききに杖の重心を12ミリメートル上部。砲撃時に杖を4分の3回転させ……」
「…………」


 その男の行動に目を見開いた。
 帽子を目深に被った小柄な男は、左手でキーをタッチしながら、右手で杖に対しメンテナンスを施していたのだ。そして彼の見ている正面画面には、首都航空隊全隊員の実践映像を並列で映し、その1人1人の映像の下には各隊員能力値を表示させていた。


「う、わ」


 それは30分くらいのものであったのにもかかわらず、他のも合わせ40本以上のデバイスが調整されていく過程はまさにあっという間の出来事に思えた。
 そして、ちょうど調整を終えてモニタを全て閉じきってすぐ、タイミングを見計らったかのように、航空隊正式のメカニックが入ってくる。


「おい、出向クン。ちゃんと回収した全機の母数はあっているか?」
「はい。こちらが回収分のチェックリストです」


 メカニックはその小柄な男に「回収後、なんだったらメンテナンスもしておいてもいいんだぞ?」と回収前に冗談交じりで言ったことなどすっかり忘れて、


「さて、メンテナンスはじめるかね。といってもほとんど使われてないからチェックするだけなんだが」


 欠伸(あくび)をかみ殺して、席に着く。


「んで、ティーダ。なんで、お前ここにいるんだ? 書類整理の途中じゃなかったのか?」
「あ、ああ」


 すこし狼狽してメンテナンスルームから出ようとしたとき、彼は振り向いてそのスタッフに声をかける。


「そちらの出向の人っていつからきてるの?」
「ん? 今日からだな。臨時で1週間。ウチのスタッフが1人抜けたところに、い〜タイミングで全デバイスのメンテナンスがはいった。まぁ、それでだ」


 へぇ。と関心なさそうにみせて、所属と名前を聞いてみると、相手は覚えておらず、直接本人が特
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