暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第19話 『今日という日この時からは』
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 上官は部下の功績をよく知っていた。あと数年もせずに抜かれてしまうこともだ。
 だが、次の発言で彼等の瞳がぐぐっと小さくなるのには驚いた。


「そこの工場爆破は逃げるためだけの、単なる遮蔽(カモフラージュ)だ」
「……今、なんと(おっしゃ)いましたか、ダヴェンポート三佐?」
「単なる遮蔽?」
「あ、あぁ。ガガルが――」
「情報をすぐ送ってください。すぐに、追いかけます」
「飛行許可は下りていますか?」


 それからすぐに情報を受け取り確認をし、通信をきると、救急隊に運ばれるコタロウに気がついた。


「俺はお前の腕を奪った」
「……うん。ジャンにあげたんだ」


 痛み止めを打たれ、もう少しで目が閉じそうである。


(なんで、普通なんだよ)


 それでも、コタロウはいつもと変わらなかった。初めて出会ったときより、十分感情表現はうまくなったのにも関わらず、自分の今の状況によって彼は左右されない。
 腕がなくなっても彼は変わらないのだ。


「追跡任務?」
「あ、あぁ」


 彼は救急隊員の制止を振り切ってよろよろと手を振り、


「いってらっしゃい」


 ジャニカがはじめて教えた『送り出しは笑顔で』を実行し、彼は眠りについた。


「……ちょっと、傘、借りるわ」


 相手の承諾を得ず、ジャニカはするりと担架にねている彼から傘を抜き取る。


「今の俺だと相手を殺しかねない」
「……そう」


 ロビンは彼が責任をガガルに転嫁していないことなど、考えずともよく分かった。
 今、彼のなかでは自責の念が押し寄せている。


「行くぞ、ロビン」
「上官は私なんだけど、トラガホルン二等陸尉?」


 2人はコタロウに振り返ることなく、飛び立っていった。






△▽△▽△▽△▽△▽






「兄さん、今日は帰ってこないのかな?」


 臨時ニュースの工場爆発に兄が絡んでいるとは思いもよらなかった。






△▽△▽△▽△▽△▽






 ティーダ・ランスターは自分が爆発で堕ちていくのを自覚していても、相手からは目を逸らさなかった。
 逃げていく彼に狙いを定め、一撃を見舞う。


「……今までの航空隊とは違うみたいだな」


 ガガルは自分のデバイスを振りかざし、それを弾く。
 体勢を立て直したティーダは先の爆撃で、片目をやられていた。


(ひる)まない、のか」
「はい。貴方がたとえ、魔力量が私の3倍以上あっても怯むわけにはいかないのです」


 技術はともかく、魔力だけとると武装隊トップクラスの保有量を持つ彼はそ
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