暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第1章 『ネコの手も』
第15話 『このような理由』
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」
[ちょっとこの前の仕返しをなー]
「……まぁ、いいかもね。コタロウさんの表情を見る意味でも」
ヴィータとは意見は違うが、どうやらアリサも賛成のようである。
「シャマル主任医務官が私に、ですか?」
「あぁ」
先程の念話はコタロウを除く魔法が使える全員に聞こえており、なのはや新人たちは複雑な表情をしている。
アルフはそのいたずらを楽しそうににやにやしながら傍観を決め込み、残りはヴィータの性格をある程度理解したうえで、何も言わず、一口食べた後、無理に続きを食べようとするのであれば止めればよいという考えにとどめていた。
「それでは、頂きます」
そういってコタロウは見た目から特にその料理を躊躇することなく口に入れ、
「…………」
寝ぼけ目を少し細くして、頭をぐらりと円を描いた。
ヴィータは口の端を吊り上げて、「どうだ?」と聞くと、
「シャマル主任医務官」
「……はい」
「まずいです」
コタロウは既にいつもの状態を取り戻し、いつもの寝ぼけ目でじっとシャマルを見つめて正直に感想を述べる。
「あ、あぅ」
彼女はそれを知っていたが、改めてはっきり正直に答えられると、返事もできずに目尻に涙がたまった。
アルフは笑い、アリサは少々期待はずれであったが、ヴィータはそれで満足したらしく、
「お前、そんなにはっきり言うもんじゃねぇぞぉ」
近くにある自分のコップに手を出したが、コタロウがもう一口入れたときには危うくそれを落としそうになった。
『…………』
それは全員も同様に驚く。
「お、お前なにしてんだ!?」
かろうじて声に出したヴィータにコタロウは今度は変わらず無表情に、
「食べています」
「た、食べていますって、まずいんだろう?」
「はい、まずいです」
『…………』
そうしている間に彼はもう一口、もう一口と口に運ぶと、
「え、えと、ま、まずいのに何で食べるんですか!?」
たまらずシャマルが疑問を口にするが、コタロウは不思議そうに彼女を見て、
「まずいことが食べない理由にならないからです」
「…………」
また食事を再開する。
残りが少なくなってきたため、右手で皿を持ち上げ――光景が異様過ぎて左手を使ってないことに気がつかず――一気に流し込み、ことりと皿を置く。
『…………』
「シャマル主任医――」
「あ、あの!」
少しの間の後、コタロウを遮ってシャマルが口を開いた。
「はい」
「ふ、普通の人は、まずいことが食べないり、理由になると思います」
「はぁ」
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