Development
第二十話 拒絶
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いる立場な訳だし、二人は幼馴染って話だ。
少し考えれば分かることなのに、確認もせずに浮かれていた。気付かなかったけど、それだけ僕にとってもう一人の男性操縦者というのは嬉しかったんだろう。でも、その結果がこれだ。
恐らく、簪さんは僕の表情から若干の負の念を感じ取ったんだろう。そんなつもりはなかったけど、予想していたのと違う事態に、少しがっかりしてしまったのは否定できない。
簪さんは、今まで楯無さんと比べられ続けたことでそういった負の感情に敏感になっている。もしかしたら、僕の先ほどの感情が自身に対して向けられたと誤解しても不思議じゃない。
「ご、ごめんなさい。予想外だったからビックリしちゃって。私は……」
「知ってます、西園寺さんですよね……先ほどの言葉の意図が伝わっていないようなのでハッキリいいます。私は……あなたのことが嫌いなんです……ごめんなさい」
思わず言い訳がましく弁解しつつ自己紹介をしようとするも、それを見透かしたように遮って告げられた簪さんの言葉は痛烈なものだった。呆気にとられる僕を横目に簪さんは部屋に入り、持ち込んだバッグなどの荷ほどきを始めた。それ以降、全くこちらを意に介さないその行動は明らかな拒絶を僕に突きつけている。
自分の浅はかさに激しく後悔する一方、僕は違うことも考えていた。確かに、彼女の僕に対する印象は最悪だったかもしれない。でも、果たしてそれだけであそこまで拒絶するだろうか。以前に楯無さんから聞いた話ではちょっと大人しすぎるけど優しい子だって話だ。そんな子が第一印象だけであそこまで辛辣な言葉をぶつけてくるだろうか。
なら、それ以前に僕に対するなんらかの悪感情を持っていてそれがさっきの対面で決定的になった、と考えるのが妥当な気がする。
……とはいっても、全く心当たりがないのだけど。う〜ん、本人から聞こうにも今日のところは話しかけられる雰囲気じゃないし、とりあえず楯無さんに話を聞いてみようかな。
ん、なんか忘れてるような……あ! そうか、そういうことか。
「僕の部屋割り仕組んだの楯無さんでしょ!」
数日前の会話内容をよくよく思い出してみると、明らかに彼女は僕と簪さんが同室になるのを知っていた。公示されるわけではなく、個人ごとに部屋を指示される形なので彼女が知っているということはなんらかの働きかけを行った可能性が高い。それに、あの部屋を改造したのは簪さんが来ることを見越してたのだろう。
僕はそのことの追及も含めて、楯無さんの部屋に話を聞きに訪れた。一年寮は部屋が足りないというのに、楯無さんの部屋は僕が抜けたことで一人部屋になっている。……二年生の部屋が空いているならこちらを使えばいいのに何でいつもこの学園は融通が利かないんだろう。
「ご、ごめ
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