Development
第二十話 拒絶
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だろうか。確かに同学年になるのだけど、別に楯無さんが学園からいなくなるわけではないので、いつだって会えるはずだ。
「どうして僕に?」
「あの子……簪ちゃんっていうんだけどね、専用機持ちで代表候補生なの。でも、とある事情で肝心の専用機がまだ完成してなくて。まぁ、その原因は織斑君なんだけどね」
その言葉で、なんとなく理解できた。恐らく政府が織斑君の専用機の開発をどこかしらの機関に依頼したんだろう。そこでは当初楯無さんの妹、簪さんの専用機を開発していたものの優先度の高い案件が入ってきたことから後回しにされた、こんなところだと思う。その上、織斑君のISはそもそも束さんじゃないとまともに作れないはず。だからまともな結果もできずに簪さんの専用機もズルズル開発が遅れている。
きっと、最終的に束さんが介入して織斑君の専用機は完成させるんじゃないかな。ここら辺は本人に確認したくても、しばらく姿隠すって言ってたからこちらから連絡が取れないんだよねぇ。
「それに、彼女はどうも私に引け目を感じているというか……自分のことを下に見ているみたいな節があるの。今回のことに加えて、ミステリアス・レイディが私が一人で作ったと思っていることから、開発の止まった専用機を自力で完成させようとしているみたいだし」
「え、楯無さんが開発したとは聞いてたけど一人で作ったの?」
「私の場合はロシアが設計して7割方完成していたグストーイ・トゥマン・モスクヴェっていう機体をベースに自分用にカスタマイズしたに過ぎないわ。あ、ちなみに入学後もあなたや二年から整備科に行く薫子ちゃん、現役整備科主席の虚ちゃんの意見も参考にして開発は続けてるわよ」
つまり、肝の部分は自分で作りつつも決して一人の力ではない、ということかな。それは当然で、一人の力には限りがある。……束さんあたりなら一人でなんでもやっちゃう気がするけど、あの人は例外だと思う。
ちなみに整備科というのは二年生から選択できる、IS開発や研究、整備を専攻する学科のこと。楯無さんによると薫子さんやフィーさん、佐伯さんはかねてからの希望通り整備科に入るらしい。そして虚さんは整備科で常にトップとのこと。
「でも簪ちゃんは、ベースこそ打鉄にラファール・リヴァイヴの汎用性というコンセプトがあるけれどどちらも第二世代。それを第三世代機にまで引き上げようとしている。それはもうほとんど新しく機体を設計するようなものね。しかも、それを本当に一人で作ろうとしてる……」
確かに、それは大きな違いだ。あらかじめ組みあがっているF1カーを状況に応じてチューンナップするのと乗用車をF1に出れるように組み替えるくらい違うんじゃないだろうか。
無茶……だけど、それを楯無さんが言ったところで余計反発するだけだろう。だって、楯無さんへの対
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