第八十四話 失うモノ
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ンジェル側の戦力として参戦したキラのストライクフリーダムによって戦局は傾く。押し込まれて膠着していたアークエンジェルやクサナギなどの艦隊は前進する。
その様子を見て不利を悟ったのだろう。敵のザフト艦隊はこれまで頑なに攻勢を続けていたが一度攻め直す為に艦やMSをある程度引かせ、これ以上の戦線突破を許さないように防衛中心にするよう指示した。
「マリューさん……どうしますか?」
『こちらも一度体勢を立て直すべきね。悪いけれどMSを交代で補給と修理を受けるようにしてくれる?キラ君も』
アークエンジェルのクルーは目の前で起きたバルトフェルドの死に沈んだ様子を見せるが、マリューをはじめとしたアークエンジェルのクルーは歴戦の人間である。例えその死に悲しみ暮れても、続く戦いの為に指示を怠るわけにはいかない。
「僕は大丈夫です。フリーダムならまだやれます」
『いいえ、キラ君から先に補給を受けて頂戴。いつ敵の攻撃が再開されるか分からない以上早い段階で補給を受けて欲しいの……』
「――――わかりました」
そう言われては確かにそうせざる得ないとキラも思い、アークエンジェルの破壊されていない方の艦首へと帰還する。しかし、そこでも慌ただしく艦内では人が動いていた。常に戦闘となっている中で整備や補給をするために動いていた中、ローエングリンを発射しようとして逆に破壊されたのだ。負傷者の応急処置や部品の移動、回収など慌ただしいのも当然である。
「すいません!整備と補給を……!マードックさんッ!?」
近くに来た整備兵の一人に頼もうとした所で、ドック内の隔壁されている一ヶ所に負傷した者が集められ応急手当てを受けていた様子を見る。その中の運ばれている一人にアークエンジェルの整備士であるコジロー・マードックがいた。その様子を見たキラはストライクフリーダムの近くにあった足場を蹴ってそこまで飛ぶように移動する。
「よう……悪いな、坊主……お前さんの機体を見れそうになくてよ……」
「今は喋らないでください!」
腹部や頭部などから血を流し、明らかに重傷を負っている。おそらくローエングリンを撃たれた時に起こった爆発に巻き込まれたのだ。考えてみれば当然である。彼は整備士の中でも中心的な人物だ。キラの難しい要求に応えたり、時間が短い中で自分の仕事や他の整備士の仕事も終わらせる。その彼がローエングリン発射の際に艦首から果たして離れていただろうか?
答えは否であり、だからこそ彼はここで負傷した様子を見せている。手当をしている医者はこちらに目を向ける手間もないと必死にコジロー・マードックや他の怪我人を施術しているが、明らかに機材が足りていないのだろう。最低限の施術を済ませた後は医務室に運んで医務室にいる医者に治療するよう命じている。
「ク
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