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ゲルググSEED DESTINY
第八十四話 失うモノ
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見込みが薄いと考える。しかし、逆に向こうが先に動けば無理に切り崩そうとしたことで生まれる隙があるはずだ。そうなればこちらに戦況は傾く。

「この戦い、先に動いた方が負ける――――」

そう呟きながらグラスゴーは味方部隊を防衛に専念させるようにするのであった。







「バルトフェルドさんッ――――!!」

キラがアークエンジェルを視認できる距離にまで来た時、バルトフェルドがリゼルでハイネのデスティニーに特攻を仕掛けていたタイミングだった。爆発が巻き起こり、バルトフェルドが命を散らす。その爆発の規模から考えるに、たとえ脱出を図ったとしても助かるようには見えない。
何故間に合わなかったのか――――あと十秒でも早くこの場に辿り着けば救えたはずだというのに。

『あぶねえッ……デスティニーじゃなかったらお陀仏だったぜ』

一方でハイネはコックピットの中で冷や汗を流しつつも、爆発による攻撃を受けたデスティニーは全身をVPS装甲によって変色させており、その色を元のハイネに合わせたデスティニーのオレンジカラーに戻す。VPS装甲をあらかじめ用意しておいた限界まで防御力を高めるOSパターンに切り替えることで、全身の防御力を一気に高めたのだ。デスティニーの中で最も脆いであろう関節部の内部骨格もVPS装甲を応用した特殊素材であり、関節部の稼働を制限する代わりに関節部の被害も最小限に抑えていた。

「貴方達はアアァァァ――――!!」

『ぐッ、このタイミングでフリーダムだと!』

両手で二本のビームサーベルを引き抜き、そのまま腕を頭を超える位置まで振り上げてからデスティニーに振り下ろす。アンチビームシールドもアロンダイトも爆発で破壊されている。反撃するには武器が足りない。それだけでなく機体の方もいくら被害を抑えたとはいえ、いつ不具合が起きてもおかしくない。ハイネは一度撤退すべきだと思い、デスティニーのビームシールドを展開してストライクフリーダムの攻撃を受け止め、そのまま引き下がる。

「逃がすわけにはッ!」

キラとしてもバルトフェルドが命を犠牲にしてでも止めようとした敵をそう簡単に捨て置くわけにはいかないと考える。しかし、一方でアークエンジェルを中心としている少数の味方の艦隊に残された戦力が減っていることも理解していた。バルトフェルドが居なくなった今、キラがこの場を離れてしまえば次に敵のエースが現れた時に耐えれるとは思えない。
その逡巡によってキラはデスティニーに向かって射撃での追撃という消極的な判断を下す事となる。無論、ハイネも後ろから放たれたその程度の攻撃に落とされる様な軟なパイロットではない。

『追ってはこないか……ま、当然の判断だな』

戦線離脱したハイネのデスティニーが居なくなり、逆にアークエ
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