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アマガミという現実を楽しもう!
第13話:波乱の秋
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ションの差に戸惑った。それでも、少女の雰囲気は、湿っぽかった俺の気分を少し晴れやかにしてくれた。


「もし学校で会ったら、私とお話してくれる?」
「いいですよ、何かあったら呼んでください」
「ふふ、ありがと♪あ、ポケベル持ってるの?番号教えてよ!」


 俺のポケットから姿を覗かせるポケベル君に少女が気がつく。俺は彼女と番号の交換を行い、ポケベル君は本日2人目の通信手段となることが決定した。


 階段の下の方から「はるか〜、そろそろ行くぞ〜」「姉ちゃん行くよ〜?」と声が聞こえる。彼女は、分かった〜、と大きな声で返す。


(…はるか?)
「お兄ちゃんと弟が呼んでるから、私もう行くね。じゃあ、学校で会いましょう!」
「え?あ、はい」


 ばいば〜い!、と手を大きく振ってわんこのジョン君を連れて階段を降りていく。そして姿が見えなくなる。俺意外誰もいなくなった公園から見る光景は、夕陽は既に沈みきってすっかり暗くなり、秋風の寒さと日暮れの暗がりが物悲しさを誘っていた。


「…帰るか」


 結局考え事のタスクを増やしてしまった俺は、ベンチから腰を上げ、自転車置き場まで足を運んで鍵を外して自転車に乗る。そのままペダルを漕いで家路を急ぐ。


(タスクを減らすどころか増やすだなんて、何て仕事をしているんだ俺は。頭の中が一杯で考えもまとまらないし。…しょうがねえなあ!ガス抜きのためにローアングル探偵団と水着美女の今月号を本屋まで買いに行くか!橘や梅原あたりを誘ったら喜びそうだしな!そうと決まったら本屋にダッシュだ!)


 俺は猛スピードで本屋に向かい、お宝本を買いに行った。制服を着ていたことに後で気がつき焦ったものの、馴染みの店員のおっちゃんが見逃してくれた(さらにはおススメのお宝本もこっそりサービスしてくれた)ので俺は満足げに本屋から出て家路に着いた。





















………

 翌日、教室に入ると教室は何やら騒然としていた。


「今日ウチのクラスに転入生が入ってくるんだって!しかもメッチャカワイイらしいぞ!」
「職員室で見かけたけど、彼女すっごく可愛かったぞ!仲良くしてえな!」
(うちに転入生…、ま、まさかな)


 チャイムが鳴り、クラスメートはドタバタと席に着席する。少し経って、教室に担任が入り、後ろから転校生が着いてくる。男子は「すっげえカワイイ!」と各々口に出し、釘付けの様子であり、女子も同じく愛らしい様子に視線をそらせないようである。俺は、顔を挙げてその予感が真か疑かを確かめた。…言わずもがな、俺の予感は正解だった。


「本日からクラスの一員となる、森島はるかさんだ。仲良くしてあげてくださ
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