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アマガミという現実を楽しもう!
第13話:波乱の秋
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「わん!」



「わんわん!」

…わんわんお?

「わん!」
「うおっ!」


 腹部に感じる重みにぱっと眼が覚める。眠っていたのか、今何時だ?それよりもいま俺の腹に乗っているものは何だ?乗っている物体を触って撫でてみる。もふもふ、もふもふ。寝ぼけ眼がしっかりしていくにつれて、腹の上のものがしっかり見えてくる。


(…犬?)


 わん!、とその微妙そうな顔をした犬は俺のほうを見て吠える。クリッとした瞳は俺に愛らしさを感じさせ、頭を撫でる。


「お前、どっから来たんだ?首輪があるならご主人がいるんだろ?」
「わん!」


 腹の上からどこうとしない、このわんこを俺は無碍にも出来ず、仕方ないのでその姿勢で遊んでやることにした。


「こ〜ら、ジョン!見つけたわよ!」


 その声に反応し、わんこは声の方向を向く。俺もベンチから頭だけを起こすと、黒のカチューシャをつけた私服の美少女がこちらに近づいてくるのが見える。やっと見つけた、と俺の腹のわんこを抱き上げて頭を撫でる。


(このわんこのご主人か、それにしても可愛らしい子だな。輝日南中にはいないから他校の中学、もしくは高校生かもしれないな)
「おりょ?そういえばジョン、この人はだあれ?」
「犬に聞くんかい」


とツッコミを入れる。ジョン君は、少女に抱えられた状態で「わん」と一言吠えた。少女が、「そうか〜、ワン、くんか〜。中国の人みたいなお名前だね〜。」と言うので、「違う」ときっぱり答える。少女は「だよねぇ〜」と言って、クスクス笑っていたが俺の制服を見て次のように尋ねる。


「ねね!ひょっとして輝日南中の人?」
「ええと、そうですが」


 先輩かもしれない、と思って敬語に切り替える。


「私、今度輝日南中に転入するの!ねえ、どんな学校か、教えてくれないかな?」
「分かりました、だから少し落ち着いてください」


 顔が近い、あとテンションを抑えてくれ、どうしたらいいか分からない、と俺は思う。俺は自分の通う中学について少女に説明する。教えるといっても、一般事項を説明しても面白みが無いので、俺の輝日南中での生活について説明する。茶道のこと、水泳のこと、水泳で県大会まで進んだこと、茶道でお茶会があったこと、オリエンテーションがあったこと、交友関係などを話す。少女は表情を百面相のように変え、「わお!」「オーキードーキー!」と相槌を打ってうなづいていた。


「わぉ!なにそれ、すっごく楽しそう!」
「まぁ、これは私の一例なんですが」


 胸元で手をぎゅっと握って、目をきらっきらに輝かせて俺を見る。さっきまで絢辻先輩と重たい話をしていたから、俺はこのテン
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