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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 湖札とウロボロス、出会いの物語 B
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効かないね、こんなもの!」

殿下はそれを殴って破壊し、霧散させる、が・・・

「瘴気に形は無く、命もない。ゆえに幾たび砕かれようと、それが消えることはなく、祓われるまではそのものに呪いをもたらさん。」
「な・・・!?」

瘴気というものは、その程度でなかったことに出来るわけがない。
瘴気は祓われるか対象の中に入り込むまでは、消えることなく、対象へと効果を表すのが、湖札が使った奥義『瘴気砲』と『怨恨縛鎖』のあわせ技である。
この奥義は何代も前の鬼道が、世界に絶望した際に作り出したものだ。なので、檻の中に大量の妖怪がいて霊獣、神すらいる一輝が使ったりしたら、世界を呪い尽くす勢いのものが出来るため、一輝は決して使うことがない。

「く・・・だが、耐えられないほどではない・・・か・・・なら!」

殿下は自分を包む瘴気に顔をしかめるが、耐えることが可能だとわかるや否や、湖札への特攻を再開する。
大本である湖札を倒せばこの瘴気も消える、そう考えたのだろう。

「対象の制圧、不可能だと断定。これ以上の抵抗手段、存在しません。」
「だったら、さっさとぶっ飛べ!」

湖札は大人しく殿下に殴り飛ばされ、気を失った。



           =================



「うん・・・ここは?」
「あ、起きた。殿下〜!起きたよー!」

湖札が目を覚ますと、そこは湖札と殿下が戦ったところで、リンが顔を覗き込んでいた。

「お、起きたか。早速で悪いんだが、これをどうにかしてくれないか?さすがにきつくなってきてな・・・」
「それ、瘴気?なんでこんなもの・・・」
「いや、オマエがやったんだが?」
「え?」

湖札はそこで自分が何をやっていたのかを思い出し、慌てて瘴気を消し去るために、言霊を唱える。

「我らが一族の放ちし瘴気、今我らが檻へと戻らん。そして、汝らが主のもとへと帰り行け」

湖札がそう言霊を唱えると、殿下を覆っていた瘴気が全て湖札の折に吸い込まれ、もととなる妖怪の元に返った。

ちなみに、こちらの奥義は絶望した鬼道の息子が瘴気を止めるために父親を殺すがとめることができず、止める力を強く願った際に編み出されたものだ。

「ほんっとうにごめんなさい・・・ちょっと錯乱しちゃっいまして・・・」
「まあ、それについては戦ってて分かった。で、何で錯乱してたんだ?」
「ちょっと殿下!そんなことを女の子にはっきりと聞くなんて、デリカシーに欠けてるよ!」
「アハハ・・・別に気にしなくていいよ。それに、今回迷惑をかけちゃったのは私だし・・・その辺りの説明はしないといけないって思ってるから。」

湖札はそう言うと、記憶が戻り、その内容に混乱してああなった、と説明をした。

「記憶
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