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た。シャマルの温かさと柔らかさが背中から伝わって来る。わたしは胸に回されたシャマルの両腕にそっと両手を添えて応える。思い出すのは事情説明を聴いた後のこと。ようやく頭を上げてくれたかと思えば、お願いがあります、なんてまた土下座するんやもん。

――我々は、主はやてを喪いたくありません。ですから、主はやてとの誓いを、申し訳ありませんが破棄させていただきたく思います!――

――はやてを助けるには闇の書を完成させて、はやてを本当の主にするしかないって!――

――ですから私たちに戦闘の許可をお願いします!――

それがお願いやった。わたしの麻痺を治す、最低でも進行を止めるためには“闇の書”を完成させる必要がある。そやけど完成には魔力、リンカーコアが必要やってことや。そのリンカーコア集めのために戦うことの許可が欲しいってことやった。

――それってリンカーコアを持ってる人に迷惑が掛かるってことやろ? わたし、他人様に迷惑は掛けたくない――

そう言うたらルシル君にメッチャ怒られた。他人の迷惑より自分の命を優先しろ、って。それを皮切りにシグナム達からも懇願された。わたしの命を優先して考えてほしい、って。そやけどわたしは今の生活がホンマに気に入ってた。みんながいつも一緒に居って、楽しくお喋りして、どこかに出かけて遊んで。それが崩れるくらいなら、たとえ短くても充実した生活を選びたかった。そやけど・・・。

――はぁ。はやての人格からしてこうなることは判っていた。だから俺は・・・――

そう、全ては手遅れやった。ルシル君は3ヵ月も前からリンカーコア集めをしとった。リビングに溢れるいろんな色に輝くリンカーコアが幾つも出て来た。聞けば総数200以上。眩暈がした。ルシル君がいつの間にか大悪人になってたことに。しかもわたしの所為で。

――ちなみにコレらは全て魔法を悪用する犯罪者から頂戴した物だ。だから気に病むことはない。連中は自業自得だったんだ――

そう言ったルシル君は凶悪な笑みを浮かべた。わたしなんかの為にルシル君は罪を犯してしもうた。それが申し訳なくて。わたしは謝った。

――俺ははやてに生きていてほしい。それが俺の、俺たちの願いだ。だから俺たちは何だってする。せめてもの筋として罪なき人には手を出さない。出すのは、どうしようもない悪人ばかりだ。正直、悪人の魔力で闇の書を完成させ、はやての未来を繋げるのも嫌な話だけど、それでも・・・助けたいんだ――

ルシル君が困り果ててたわたしの手を取って、初めて辛く悲しそうな表情をわたしに見せた。そこまで想われたらもうアカンとは言えへん。

――・・・判った。わたしも出来るならホンマはこれからもずっと、おばあちゃんになるまでみんなと生きてたい。そやから・・・よろしくお願いします――


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