1話 第二メモリアル・ヴァフェ分隊
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に笑い「じゃあ、準備しないといけないなっ」といつものように言い放った。母もそれにつられ笑い、「向こうではどうやって新鮮なお魚でに入れましょう?」なんて冗談を言った。僕もそれにつられ笑い、近くにあった僕の銃を何気なくなでていた。
帰国するといった日から数日、着々と準備はすすみ、いよいよ明日出発というところまで来ていた。
もちろん、眠れるわけもない。これぞピクニックの前日の法則だっと僕は思う。僕は薄手のタオルケットを上げたり蹴ったり、しながら明日への興奮を抑えていた。なにせ初めての旅行であり、初めての母国なのだ。日本がどういう国でどんな文化は母からだいたい教わっているつもりだが、それでも聞くとみるとでは大違いというぐらいだし、とまだ見ぬ国への興味を募らせていた。ふと寝返りをうつとあの銃が目に入る。僕はまたもや銃を撫でていた。それは新しいおもちゃを手に入れた子供のようであった。僕はふと思い立ち銃に話しかける。
「あの時、聞こえた声は誰だったのかな?」
その時強い睡魔が襲い眠りに引きずり込まれた。そして夢を見た。部屋にいる幼い日の僕を夢の子が連れ出してくれるという夢だった。部屋というには曖昧で、霧でできた箱みたいで、冷たく縛りつけてくる空間そこから夢の子引っ張り出してくれた、という何とも不思議な夢だった。
朝を迎える。燦燦と降り注ぐ太陽の光と小鳥の声が良かった。そんな朝のなか、今までも家に別れを告げ、僕は日本に旅立った。僕が降り立ったのは岐阜に設立された集合要塞都市の近くにある空港だった。空港と言っても今のように娯楽施設はなく、ヘリポートと滑走路が2,3本という質素なものだ。
出迎えてくれたのは、白衣を着た青年でいかにも博士ですという人だった。白衣の人がニコニコしながら歩き出し、僕の近くまでる来て口を開いた。
「やぁ、軍への志願歓迎するよ。私は君の上官の平野だ、よろしく。なんせ、対ヘイディファイント系の兵士は少ないからね。慢性的な人手不足なんだ。しかも、銃のメモリアル・ヴァフェなんて珍しい。君ガンベイビーかい?」
ガンベイビー、それは一時期流行った小さい子に持たせて銃のメモリアル・ヴァフェを作ろうとする風潮のことだ。残念ながらガンベイビーには武器の認識が甘いことがあり性格破綻者が多い傾向がある。また、普通に考えれば、子供に武器を持たせるなんて親としてどうか、という意見が多発し、今ではガンベイビーとその家族は忌み嫌われることとなっている。
母から教えてもらっていたので、それを知っていない僕ではない。自分だけでなく父母も馬鹿にされたように感じたので、肩にかかっている銃が入ったバックを握りしめる力が増す。後ろを振り向くと父と母が並んで立っている。二人とも気にしていないようで笑顔を絶やして
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