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メモリアル・ヴァフェ
1話 第二メモリアル・ヴァフェ分隊
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うあれはヘイディファイント。イクチオサウルスに酷似したヘイディファイント。イクチオサウルスは魚のような姿を持つが実際は水棲「爬虫類」つまり、バージョン2。普通じゃ傷つけられない。

 ヘイディファイントがひれを使い綺麗走り出す。速かった、正直追いつかれると思った。圧倒的な存在感を背に走りながら考え続けた。もう少しで森逃げ込めば...その前に食われるっ。じゃあどうするここで立ち向かうか?でもどうやってやるなら一撃で殺さなければ.......この時ある記憶、否思い出がフィードバックした。美しい銃、父の殺すための道具というセリフ、そうこれだ。僕は確信した。この場にはないがあの銃がここに来るのはなぜかわかった。走っている体に足を踏み込むという方法で急ブレーキをかけ後ろを振り向く。目の前には開かれた口、だが今度は恐怖はない。その代りにあったのは優越感、自然と僕は笑っていた。腕を構え叫ぶ。

「こいッッ!!!!」

 飛び込んできたのは、冷酷さと何とも言えない暖かさ。疑問もなく引き金を引く。炸裂音と主にかかる衝撃が心地よいと思った。撃ち出された銃弾はヘイディファイントを、こいつのコアを撃ちぬいていた。生気を失い目の前に崩れ去るヘイディファイント。立ち続ける僕。「よかった」という言葉が唇からこぼれた。緊張がほどけたのか、走りつかれたのか...僕はそこで意識を失った。ただ失う瞬間、「私の銃大事にしてね」といった気がした。










 次、目が覚めた時僕は家のリビングで母に抱かれていた。近くの椅子には父が座っており、悩んだ顔であの時僕のところに来た真っ白いL96A1を見ていた。少し体を揺らすと僕が目覚めたのに気付いたらしく、顔を覗き込んで話しかけてきた。それはあまりにも予想外な質問だった。

「ねぇ、あなたは奴らと戦いたい?」

 母はこんなふうに争いを進めるようなことはしない。だからなおさら、意味が分からなかった。僕は父に疑問の視線を送る。すると、それに答えるように父はどういうことか細かいことを話してくれた。

 つまり要約すると、僕はメモリアル・ヴァフェを手に入れたので、ヘイディファイントと戦うことができる。でも父さん母さんは戦ってほしくない。しかし放っておけば、そのうち政府の役員が来るので早めに聞いて少しでも長く考えられるようにしたということらしい。因みに来るのは日本政府、もし戦うのなら軍隊に所属させられ、当然ここを離れ帰国することになるらしい。

 どうするか、僕にとっては簡単でわかりきったことだった。僕は起き上がり父に向かって言う。

「僕、戦いたいよ。父さんは銃は殺すための道具といったけど、僕は誰かを助ける、守る道具だと思うんだ。だから僕は行きたい」

 それを聞いた父は難しい顔をしていたが、すぐ
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