暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン33 冥府の姫と『白き龍』
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浮かび上がり、その扉がゆっくりと開くと中の地獄のような闇からデーモンの召喚と神炎皇ウリアを足して2で割ったようなドラゴンがヌルリ、と飛んでくる。見ているだけで子供が泣き出しそうなそんな風景を、男はクックックと笑いながら見ていた。

「いいねえいいねえ、やっぱりやってくれる女だぜ。だけど、そいつだけじゃあ効果込みでも力不足だな。最後のトラップ、ダメージ・ダイエット発動!これで俺の受けるダメージはこのターン半分になる」

 そしてそんな男を、冷めた目で見つめる夢想。もしもこの場に普段の彼女をよく知る者が居合わせたら、そのあまりの雰囲気の違いに双子の姉妹かと思うほどだろう。それほど別人めいていたのだが、男にとってはむしろそれが狙いだったのかもしれない。事実、彼はそこでなお笑って見せた。

「ああ、やっぱりな。お前は……」
「最後の手札、ワイトメアの効果発動。このカードを墓地に送って、除外されたワイトキングを特殊召喚する。この時、このワイトキングの攻撃力は5000………バトル!ドラゴネクロ、ブルーアイズに攻撃!ソウル・クランチ!」

 ドラゴネクロがズイッと迫り、ブルーアイズの体を掴んで至近距離から喰らいつこうとするが、その時の一瞬の隙をブルーアイズは見逃さなかった。それよりも一瞬早く放たれたバースト・ストリームが、ドラゴネクロの上半身を吹き飛ばす。

 冥界龍 ドラゴネクロ 攻3000(破壊)→青眼の白龍 攻3000

「本当なら相打ちだけど、ドラゴネクロが戦う相手モンスターはその戦闘で死ぬことは許されない。ただし、その魂は私のもの」

 そう言った瞬間、勝ったはずのブルーアイズがガクンと急に力が抜けたように頭を垂れた。その口から白い霧のようなものが飛び出してきて、それがみるみるうちに黒く染まりながらブルーアイズの姿をとって夢想の場に降り立つ。黒いブルーアイズが、翼を広げた。

「ブルーアイズの攻撃力は0になり、私の場にはその攻撃力とレベルをコピーした魂の成れの果て、ダークソウル・トークンが呼び出される」

 青眼の白龍 攻3000→0
 ダークソウル(青眼の白龍)・トークン 攻3000

「ワイトキングでその抜け殻を攻撃………螺旋怪談」

 ワイトキング 攻5000→青眼の白龍 攻0(破壊)
 男 LP2200→0





「かーっ、負けた負けたっと。んじゃな、あいにく俺もこの後2、3人狩っとかなきゃいかん奴らがいるからな、そろそろお暇するぜー。まあでも安心したわ、なんだかんだいってやっぱお前全然変わってねえし」
「え、あ、ちょっと待………って、だってのに」

 ライフが0になった瞬間言いたいことだけ言って、男の姿はすうっと消えた。まるで最初から誰もいなかったかのように。だけど、この出来事が
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