暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン33 冥府の姫と『白き龍』
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。そこまで考えたところで、足元に封筒が落ちているのに気が付いた。

「………?」

 差出人も書いてない、真っ白な封筒。何気なく拾い上げて封を切ると、中には一枚の手紙とデュエルモンスターズのカードが入っていた。裏向きになっていたので何のカードかはわからなかったが、まず先に手紙から取り出してみる。自分の部屋に落ちているカードということはきっと拾ってもいいはずだ、思わぬ状況で手に入ったカードを知る楽しみは後にとっておこう。

《今日の昼12時、灯台まで来い。なおその際、同封したカードをエクストラデッキに入れることを望む―――――×××××(名前を消した跡がある。なんて書いてあったのかは読めない)》

 時計を見ると、もうすでに11時40分。お昼も食べたいし、そもそも昼からはクロノス教諭のデュエルがあるし、今回は相手には悪いけどご遠慮しようかな。そう思いつつ、とりあえず同封のカードを見るため表にしてみる。

「このカード……」

 見たことのないカードだったが、なぜかそのカードを見た瞬間に心がざわついた。その理由が知りたい、という欲求が抑えきれなくなる。よし、予定は全部変更しよう。一日くらい断食しても倒れたりはしないだろうし。まあ多少栄養バランスが崩れて太りやすくなるかもしれないが。

「………やっぱり行くのやめようかな、なんて」

 割と本気でそう呟きながらも、手早く制服に着替えデュエルディスクにデッキをセットする彼女であった。





「あれ?」

 灯台下にやって来た夢想。てっきり手紙を出した『誰か』がいると思ったのだが、そこには誰もおらずただ波の音がのんびりと聞こえるのみだった。あるいは、その時点ですでにおかしかったのかもしれない。いくら見るべきものがなく暇つぶしの役にも立たない灯台とはいえ、休日の昼間から近くに誰ひとりいないという状況はありえないはずなのだ。それなのに、生徒はおろか清掃員の姿さえない。しょっちゅうデュエルアカデミア近くを飛び回りこの辺りにも巣を作っているカモメの姿すらない。この場にいるのが河風夢想ただ一人という時点で、何か違和感を感じるべきだった。もっとも、普段この辺りに近づかない彼女にそれを求めるのも酷な話なのだが。
 とにかく、彼女がそれに気づいた時にはもう手遅れだった。

「……来たな」

 後ろからかけられる声。それを聞いて何となく、以前清明が『最近後ろをとられることが多い』とぼやいていたのを思い出した。最近ではそのパターンが多すぎて別に驚きもせずにああまたか、なんて思いながら振り向くようになったらしい。それもそれでおかしいのではないか、などと思いながら聞いていた記憶がある。

「誰かな?だってさ」
「俺だよ」
「詐欺の方なら間に合ってますので、って」

 そ
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