諦観の元に
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響いた。
「私は私に出来る事をするしかない。まだ白蓮ちゃんが負けちゃうって決まったわけでも無い。何が起こるかも分からない。なら、今しなきゃいけない事を一刻も早く終わらせないと。その為に皆の力を貸して欲しい」
この方は、決めたんだ。犠牲を払う覚悟を本当の意味で呑んだ。
恩のある友人を己が理想の為に諦観する事を認めた。
余りに弱々しいその笑みは、己が力の無さを自覚し、それでも誰かを救いたいと願う最も尊きモノ。
ふいに、あの人の声と重なった。
ああ、やっぱり……あの人は同じだったんだ。
そんな桃香様を三人で抱きしめた。壊れてしまわぬように、ひび割れてしまわぬようにと。
桃香様はそのまま安らいだのか眠りに着いた。
そのまま、鈴々ちゃんが一緒に寝ようといい、太守用の広い寝台に四人で眠る事になった。
どうか、今は安らかに。これからまた大きな決断があるでしょう。
その度に……いえ、いつでも、あなたが地に落ちないように支えるのは私達の役目です。
あの人はきっと先に天を駆け、その力で支えている。なら私もそこに並び立つだけだ。
そう考えながら私が眠りに着いた先、一つの夢を見た。
藍と橙の重なった空を見上げる夢。日輪と真月が上がるその空は、ただひたすらに美しかった。
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