第T章:剣の世界の魔法使い
剣技の世界
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うきあすな》。十七歳です」
「次は俺だな。俺は金井光紀。十八だ」
「あたしは雪月火花、十八歳だよ。リアルでもこーくんと付き合ってまーす!」
次は、シェリーナの番だった。この二年間、使うことの無かった現実世界の、自分の本当の名前を彼らに教える。
「私の名前は、高坂詩絵里といいます。十五歳、一番年下でしたね」
そして、最後――――ドレイクの番が来た。彼が、世界で彼と、彼の《母》の二人しか知らない、現実世界の名前を言う。
「本当の名前は、私も忘れてしまいました。けれど、今の私の、現実世界での名前は……浅木賢者といいます。以後、お見知りおきを」
ぺこり、と頭を下げたドレイク―――賢者に、全員おずおずと頭を下げる。その動きが、ぴったりと揃っていて。皆で大笑いしてしまった。
「シェリーナ……詩絵里さん」
「詩絵里でいいですよ……はい、何でしょう」
「ありがとうございました。私……俺は、あなたの言葉で救われて、《人》として生きていけるようになりました。このお礼は、いつか必ず、精神的に……っていうんでしょうか」
賢者が、覚えたてのネットスラングを使う。詩絵里も笑って、はい、と答える。
「次は、現実世界で会いましょうね」
「はい。必ず」
頷きあった直後。アインクラッド最後の階層、第百層が消滅した。そして、世界が光に包まれる。二年を過ごした、《ソードアート・オンライン》の仮想世界が、ゆっくりと、消滅していく―――――
最後にもう一度、賢者がまた会いましょう、と言っているのが聞こえた。詩絵里ももう一度、はい、と答える。
かくして、二年に及ぶデスゲーム、《ソードアート・オンライン》の攻略は終幕を迎える。だが、物語は終わらない。次なる物語への扉が、開き始めていた……。
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