第T章:剣の世界の魔法使い
剣技の世界
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は、少し話がしたくてね。時間を取らせてもらった」
茅場晶彦は、穏やかな微笑を浮かべて言った。
「見給え、この空を。どこまでも広がる異世界の空を。私は、ほんの幼いころから、この異世界を……浮遊城に辿り着くことだけを夢見ていた。キリト君、コクライ君、ドレイク君――――」
キリト、コクライ、ドレイクに向き直った茅場は、続ける。
「君たちのおかげだ。私は、何か大事なことを忘れていた気がする。《雌雄剣》は、たった一人ではゲームをクリアできないことの象徴……私自身が、そう言ったばかりだったのにな……。私は、たった一人で生きていくことに慣れすぎていたのかもしれない」
「……けれど、あなたを一人にしないように、何人もの人が頑張りましたよ。あなたの恋人だった方も、現実世界であなたを支えていてくれたんでしょう?」
ドレイクの問いに、どうしてしっているのだ、と言わんばかりの苦笑を浮かべる茅場。
「そうだったな。君は……浅木先輩は、そんな人間だったな。ドレイク君、現実世界に戻ったら、浅木先輩に『ありがとう』と伝えてくれないか。彼女が君という『介入者』を連れてこなければ、私はこの先もずっと一人で生きていくことに固執していたかもしれない。それと……」
今度は、キリト、コクライに。
「私の現実世界の体を世話してくれていた人は、神代凜子という。キリト君、コクライ君。もし、彼女にあったら、私が『すまなかった』、と。そして『ありがとう、愛している』と言っていたと伝えてくれ。彼女が私を愛してくれたように、私も彼女を愛していた、そう気づいたのだよ――――」
「……自分で言えばいいのに、面倒くせぇ奴だな」
「どうも、この口からその言葉が出せなくてね」
「甲斐性無しだな。俺もだけど」
コクライ、キリトともに苦笑。アスナとヒバナも笑う。もちろん、シェリーナとドレイクも。
浮遊城の崩壊は、まだ見ぬ階層まで達していた。もうすぐ、完全に世界が消え去るだろう。
「さて、私はそろそろ行くよ。本物の異世界で、一足先に君たちを待っている――――さらばだ」
そうして、茅場の姿が金色の光と共に消えていく。
後には、キリト、アスナ、コクライ、ヒバナ、ドレイク、そしてシェリーナの六人だけが残った。
「……お別れだな」
「そんなことないよ。今度は、皆で現実世界で会おう」
キリトが言うと、アスナが言い返す。
「じゃぁ、ここでみんなの名前、教え会おうぜ」
「リアルネームわかんないと困るでしょう?」
コクライとヒバナの声に、全員で頷く。驚くべきことに、ドレイクも。
「じゃぁ、俺から。俺は……桐ケ谷和人。たぶん先月で十六歳」
「え!キリト君年下だったの?私は、|結城明日奈《ゆ
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