第T章:剣の世界の魔法使い
剣技の世界
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……」
「ばかっ!キリト君が死んじゃったらどうしようかと思ったじゃない!」
《攻略組》のプレイヤー達は、しばらくじっとしていた。静寂。不気味なほどの静寂が降りる。
「終わった、のか……?」
コクライが、ヒバナを抱きながら呟く。そして、それを裏付けるかのように、どこからともなく、その《音》が聞こえ始める。りんごーん、りんごーん……という鐘の音。何人かのプレイヤーが体を硬くする。それは、あの日……すべてが始まったあの日に、プレイヤー達を絶望に叩き落とした鐘の音と、同じ音。空が赤くなる。そこには注意を促すシステムメッセージ。すべてが、あの日と同じ。
しかし、顔のない巨人は出現しなかった。響いてきた声も、茅場の者とは異なる、システムの合成音声だった。
『……アインクラッド標準時、2024年11月7日、14時55分、ゲームはクリアされました。繰り返します。ゲームは、クリアされました。プレイヤーの皆さんは、順次ログアウトされます……』
一瞬の静寂の後、わぁっ!!!という歓声が上がった。キリト達の起こした奇跡によって、ソードアート・オンラインは二年の歳月を経て、遂にクリアされたのだ。
「大分ショートカットですけどね」
シェリーナは苦笑する。けれど、これがキリトだ。これがコクライだ。そして、ドレイクだ。無茶無謀、システムなんか気にしない、そんなバランスブレイカー達の起こした奇跡が、皆を救ったのだ――――
そんなことを考えていた時。
突然、シェリーナの視界が、ホワイトアウトした。
***
「……ここは?」
次に目を開けた時、そこは、ガラスのような透明な板の上だった。透明な板は左右後どこまでも広がり、前方向にだけ、少し歩いたことろで途切れていた。
「なんだ、ここ……」
聞こえてきた声に振り向くと、そこにはキリト、アスナ、コクライ、ヒバナ、そして、ドレイクの姿があった。
「あ、みて、アインクラッドだ」
ヒバナが指を刺した方向には、崩れていくアインクラッドが存在した。
「なかなかに絶景だろう」
突然の声にびっくりして全員一斉にそちらを向く。そこには、白衣姿の男が立っていた。茶色い短い髪に、線の細い学者然とした顔。真鍮色の瞳だけがアバターと変わらない。
「茅場晶彦……」
キリトが呟く。シェリーナでも知っている。SAOの開発者にして、先ほどキリト・コクライ・ドレイクと死闘を演じた、茅場晶彦だった。
「君たち英雄の心の力によって、魔王は敗れた。同時に、魔王を捉えていた闇の心も消え去った――――主を失った城は崩れ去る。先ほど、生き残った六千四百人余りのプレイヤーすべてがログアウトされた。君達6人だけと
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