第T章:剣の世界の魔法使い
剣技の世界
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ト。攻略パートナーとして、共に戦っていたころのキリト。ユニークスキル使いとして、全ての人たちの希望となったキリト。そして今……《心をもてあそんだ魔王》と戦う《心を預かる勇者》となったキリト。
驚くべきことに、アインクラッドの下層からも、心意の光が沸き上がってくる。下層のプレイヤー達の勝利への願いが、無意識のうちに共鳴して、ここまで流れ込んできたのだ。
「キリト――――!!」
「キリトさん!」
「キリト君――――!!」
「……勇者よ、今こそ《祈り》を力に変える時です!――――《リリース・リコレクション》!!」
「おおおお――――ッッ!!」
キリトの二刀が、まばゆい光を放つ。同時に、シェリーナ達の体も解けて、溶けて、光の中の一粒と化す。
輝く刃が、闇の化身へと迫る。
『う、お、お、お、おおおおおお!!』
心意の剣が、ひとつ、ふたつ、と、星屑のような斬撃を放っていく。
《スターバースト・ストリーム》。キリトが《二刀流》ソードスキルの中で、最も修練し、最も長くこの世界で使ってきた16連撃。その一撃一撃が、闇の化身と化したヒースクリフを貫いていく。
『おおおおお!!』
いつしか、キリトの攻撃は、《紅玉宮》の天井をも打ち抜き、キリトとヒースクリフ、そしてキリトの心意と一体化したシェリーナ達は、真っ青な輝きの中を飛翔していた。
「空……」
シェリーナが、はっとしたように呟く。アインクラッドで初めて見る、空いっぱいの空。不思議な言い方になってしまうが、それ以外に表現を思いつかないほどひろい、広い空が、上空に広がっていた。
かつて、「空を飛んでみたら面白そう」とドレイクと話したことを思い出す。今、キリトと実体化した自分たちは、光の波動となってアインクラッドの空を高く、高く、飛翔していた。
キリトとの一体化が解ける。光が再び集まったのは、先ほど倒れていた場所と同じだった。しかしすでに麻痺は解けている。自由に動く体で、キリト達を見る。
闇から解放されたヒースクリフの表情は穏やかだった。そのHPが、消滅していた。
ヒースクリフの身体が、数秒間止まった後、爆散する。彼の身体を構成していたポリゴン片と、粉々になった紅玉の破片が、ちりちりと雪のように待っていった。
同時に、ヒバナのHPゲージが、減少を止める。本来なら彼女が消滅すべき40秒は経過していたが、コクライの「ヒバナを死なせたくない」という願いが、彼女のHPの減少スピードを低下させていたのだ。
キリトの両手の剣から、光が消える。キリトの纏っていた過剰光も、その姿を薄れさせていった。
「キリト君!」
落下するキリトを、麻痺が解けたアスナが走り込み、受け止める。
「アスナ
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