第四十一話「本部防衛作戦後」
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ーーー本部防衛作戦から12時間後………
エクスカリバー本部内では、感染者、突然変異種、生物兵器の死骸の処理、死んだ兵士達の遺体回収
が始まっていた。第2装甲壁内の作業はほぼ終わりに近いが、第1装甲壁内は、いつ作業が終わる
のかさえ分からない状態だ。
感染者等の死骸は一ヶ所に集められ、冷却処理が施される。本来は焼却し、廃棄する方が効率的だが、
コープスウイルスがある限りそんなことはできない。本部内でコープスに活性化されるのは困る。
ソレンスとオルテガは、同胞達の遺体回収を進めていた。
「……あれだけの化け物共が来て……生き残れた俺達は、幸運だったのか?」
オルテガの問いかけに、ソレンスは静かに答えた。
「……………俺は……幸運とは思えない」
「……なんでだ?」
「ここで死んだ同胞達に"生き残れてよかった"と言えるのか?」
「そう………だな」
会話が途切れた。そのまま2人は、何も話さないまま作業を続けた。
第2装甲壁内では、ヴェールマンと一部の兵士達で、本部復旧の話し合いが進められていた。
「まず、本部内の被害報告ですが……建物の被害は第1、第2装甲壁のゲートが大破し、
第1装甲壁自体も、外部の損傷が激しく脆くなっている可能性が高いです。第2装甲壁も
外部の損傷は確認されましたが、問題になる程のものではありません。
人的被害の方ですが……一般の兵士は確認されているだけで627名。"クラウソラス"のメンバー
は2名。"カラドボルグ"は0です」
「………………そうか」
「司令、どうします?」
ヴェールマンはしばらく考え込んだ。
「そうだな……」
結論が出たヴェールマンは、指示を出した。
「ひとまず、瓦礫の撤去や、復旧作業は後回しだ。まず死んだ兵士達の遺体を一刻も早く回収しろ。
遺体回収と並行して、感染者共の死骸の回収も進めろ。死骸の冷却処理も忘れるな。
それらが済んでから本部の復旧作業を開始する」
「「了解しました」」
ヴェールマンの周りにいた兵士達の後ろから、一人の兵士がこちらに来た。
「司令、支部長がお呼びです。緊急の会議を始めるそうです」
「分かった。すぐに行こう。お前達、今の指示を全兵士に伝えておけ。あとは任せる」
そう言うと、ヴェールマンは本部の方へ向かった。
ーーー【エクスカリバー本部・医務室】
本部の医務室の中は、大勢の怪我人で埋め尽くされていた。
軽症者は怪我の治療後、医師の手伝いに回っていた。
重症者にはベッドが貸し出された。
「クソ、痛え
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ