金字塔のデストロイヤー
第16話
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ましたが二本は核を回収してますし、残りの一本は僕が作った物ですから問題無いでしょう」
「……なあ、一つ聞いても良いか?」
「なんです、ゼノヴィアさん?」
「アレだけの力を持っていて、どうして悪魔になったんだ」
紫藤さんも同じみたいですね。まあ良いでしょう。先日から自分がおかしくなっているのに気付いてしまいましたから。自分がどの程度狂っているのか、自分でも確認しましょう。
二人を連れてリビングに向かい、飲み物を用意してから話し始める。
「昔、ある所に一人の男が居ました。それなりの大学には通っていましたが、誇れる事は精々が色々な数式や化学式を知っている位の平凡な、本当に平凡な男で、ある日地震で死にました」
「一体何を?」
「昔、ある所に一人の少年が居ました。彼は幼い頃に人為的な災害にから唯一の生き残りであり、それから救ってくれた男は魔術師で正義の味方を目指していた頃もありました。男は既に大人で正義の味方に成れない事を知っていました。それでも正義の味方になろうとしていました。少年にはそれが美しく見えて、自分も正義の味方になる事を決意しました」
「ちょっと話を」
「男は呪いに倒れ、男の夢を少年は継ぎ、青年になった頃に英雄達に出会いその道を進む事を決意しました。ですが、青年には英雄に成れる様な才能は無く、それでも自分に出来る事を限界以上に行っていきました。彼が大人と呼ばれる頃にはかれに賛同する者も居ました。彼は多くの人を無償で救い続けてきました」
「とりあえず大人しく聞こう。何か意味があるのだろう」
「ある時、男の力ではどうする事も出来ない現状が立ち塞がり、それによって死ぬ運命にあった百の命を救う為に世界と契約を交わしました。それによって奇跡とも言える結果を残し、彼はまた誰かを救う為に去っていきました」
「うん、素晴らしい男なのだな」
「それからしばらくして、彼は守ろうとしていた人達の手によって生涯を閉じました」
「「え!?」」
「昔、ある所に一冊の魔導書がありました」
「ちょっ、なんでさっきの男は殺されたのよ」
「その魔導書は邪神やその下僕と戦う為にこの世のありとあらゆる外法を記された力ある魔導書でした。そしてその魔導書は多くの写本も作られう程の物でした。その写本の内、とある一冊のとある1ページがとある悪魔の手に渡り、その悪魔は精神を侵され狂ってしまいました」
「精神を侵されて狂う?」
「その悪魔は正気を失ってはぐれ悪魔となり、日々何かの研究を行っていました。周囲の人間を実験材料にもしたりしていましたが、ある日、ふらっと現れたはぐれエクソシストに討伐され、魔導書の1ページはそのはぐれエクソシストをも蝕みました。しかし、そのはぐれエクソシストは正気を失わ
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