絶望
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に手を添えたまま硬直していた。顔は斜め横を向いたまま。彼は震え続ける唇を何とか動かした。
「ヒカル・・・。一体、何について、話しているんですか」
それを聞いて、進藤の顔色が真っ青になっていくのが見てとれた。彼は佐為さんから身を引き、2、3歩後ずさった。目を見開いているが、焦点が合っていないような気がする。後ろにあった机に身体を支えられ、そのまま佐為さんを見つめ続けた。何か悪いことが起こっているというのだけは分かる。僕は状況を理解できないままに、進藤に詰め寄った。
「進藤、大丈夫か。何があった!」
彼は僕のほうを見ようともせず、手で口を覆った。目から涙が流れていた。僕は進藤の両頬に手を当てて自分と目を合わさせた。彼の瞳は僕の後ろを見通しているように相変わらず焦点がおかしかった。一見すると、眠たそうにも見える。彼は段々と目を閉じていった。倒れていく身体を支えることができなかった。途中で彼の腕を支えることができたけれど、そのまますり抜けていった。気づいたら彼は床に転がっていた。
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