第9話 ヒステリアモード
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……お前だってヒステリアモードで戦いたいよな。
昼間言っていたように、サードの技をちゃんと見たいよな。
だったらしばらくは俺がパートナーになって、お前を強くしてやる。やれるがどうかはかなめしだいだけどな。
俺たちは兄妹で、俺はお前の兄貴だ。
なら俺が遠山家の兄として――兄さんに俺が教わったみたいに――俺がお前に遠山家の技を教えてやる。
先端科学兵装がなくても大丈夫なようにな。
だから……
「かなめ……さっき俺が言った事を覚えているかい?」
「……え?」
泣きべそをかいている『こっちのかなめ』にも、改めて言ってやる。
「かなめを絶対に守るって言ったことだよ。そんなことを言った俺が、かなめを襲うわけないだろう?」
「……本当に……本当にキスしたりしない?」
「ああ」
「……本当に……あたしを守ってくれるの?」
「ああ」
「絶対……?」
「絶対だ」
そうやって何度も来るかなめの確認に、やさしく返事を返す。
すると、しばらく確認を繰り返すうちに、かなめの警戒が解けてきているのが分かる。
そして――
「えへへ……ありがと」
俺が守ってくれる人だと確認し終わった途端に、そう言い俺に近づいてきて、体の体重を俺にを預けて甘えだした。
……なるほどね。
泣きながら男心をくすぐり『この子を守りたい』と思わせ――そのあと守ると分かったら、甘えてその気持ちを強めると同時に継続させる。
しかも多分、この甘えは俺が兄妹だからいきなりこんなスキンシップが激しいけど……他の男と自分の距離感で甘え方も違ってくるんだろうな。
本当に罪作りなシステムになってるな。ヒステリアモードって。
そう感じながらも、
「かなめ。のぼせそうだから、そろそろ出ようか」
かなめにそう言って、かなめが「いいよ」と承諾したのち、俺たちはお風呂をあとにした。
……さて、明日からはどうなるんだろうな。いろいろと。
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