第9話 ヒステリアモード
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―兄妹でこんな……こんなことしちゃっ……」
……ぽろ……っ……ぽろぽろっ……
急に泣き出し、前のように俺の胸にあて、俺を拒みながらそんな事を言ってくる。
これは――かなめのヒステリアモード。
どうやら、かなめの中で何かが限界を迎えてしまったらしい。
「……ごめんよ。かなめ。そんなつもりはないんだ」
そう言ってかなめから少し距離をとる。
そして同時にさっきまで風呂に入って考えていた、爺ちゃんが言った言葉を思い出す。
――女性のヒステリアモードは『二段階』存在することを。
まず一段階目は『拒絶』。
男心をくすぐり、男に『守ってもらう』。
ここまでは今目の前で起きているのと同じく、前回もここで俺は部屋を出てしまったから、てっきりこのまま男に守らせるものだと思っていたが……
実はその先があったのだ。
爺ちゃんが言うには、女のヒステリアモードは男と違い『相手が一人』なのだ。
分かりやすく言えば、俺のヒステリアモードはなる時にはアリアや白雪などの相手が必要となってくる。なる際には血流の違いなんかもあるけどな。
けど女はその対象が比較的に一人なんだそうだ。
その一人というのが特例がない限り、基本的には『好きな異性』ということらしい。
なぜ一人なのかと言うと――理由は守ってくれる男が二人いた場合、二人が『弱くなっている』自分に襲われないようにするためらしい。
簡単に言えば男の嫉妬で殺されないためだ。
多分男からいえば『俺が守ってやるって言ったのに、なんで他の男もお前を守ることになってるんだ』ってことだろう。
男は一人で女を守りたいと思う生き物だからな。
だから『ベルセ』や『レガルメンテ』などと言った派生系が生まれたのだろう。
他にも、男は一度に何人もの子供を女に産ませることは出来るけど、女は自分が産むから一度に一人の男の子供しか産むことが出来ないのも関係しているらしい。
つまり女は、絶対とは言えないが『好きな異性』の前でしかヒステリアモードになることはほとんどない――が、それでも『守ってもらえる』という確証がない。
だから『二段階』なのだ。
そしておそらく……この二段階目が終えなければ、かなめが派生系に行きつくことはないだろう。
守ってもらえる――ヒスれる相手がいないのに、派生系が生まれるはずもない。
……かなめ。お前がヒステリアモードで戦う為には、パートナーが必要なんだよ。
しかも『強くなる』ヒステリアモード場合は、俺が出した予想によれば――男だけじゃダメなんだ。
だからかなめ。お前に俺以外の好きな奴が出来るまで――
――俺がパートナーになってやる!
強くなるためには男だけじゃダメだけど、まずはパートナーがいなければ話しにならない。
かなめ
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