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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 6.5-M話 閑話 ルームメイトは武器商人
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「ん〜魔法符のカタログも専用紙や墨もあるんだが…陰陽術関係は呪術協会とのコネがあるならそっちから直接買った方が安いぞ?」
そういって長谷川さんは魔法符のカタログを渡してくる。
その後ろの方の材料販売リストを見る限り、確かに質の割に少し割高だ。
関西を裏切って関東についたとみなす者もいるが、長の命で派遣されている以上、これくらいはできる。
「うちは、あくまで無所属だとか、所属組織の弱い所の商品を必要とする相手をターゲットに商売してるから、関西呪術協会所属の人間に魔法符として役に立つものは提示できても、自作用の材料だとなぁ…
急ぎの時や関西に秘密で何かやりたい時、あるいは今マナに売ったような関西が弱い方面ならいい買い物ができると保証するよ、こういうのとかな」
そういって彼女が見せてくれたのは2本の軍用ナイフだった。

「これは?」
「俗にいうスペツナズ・ナイフ、暗器の類だよ。こっちは射出ナイフ、もう一本は単発銃が仕込まれている。
両方それなりに有名な武器だが、神鳴流の剣士が使うのは心理的盲点だろうから保険にはなるんじゃないか?」
「そうですね…考えてみますが、当座は必要ありません」
発想は悪くないが…それを扱う訓練をする時間で剣や陰陽術を磨いた方が良いと思う。
「そうか、ならいいや、何か必要になったら言ってくれ、情報や教導も含めて、な」
そういって彼女は笑った。

彼女が扱っているのが命を刈り取る武器である事をまるでそれを感じさせないような笑顔…
彼女がそれを理解していないわけではない、きっとこの少女は…



「では、そろそろ私は帰るとしようか」
「お休み、マナ。また明日な、案内はまた後日にしよう」
「そうだな、そうしてくれると助かるよ、桜咲もまた明日な」
「はい、龍宮さん、また明日」
そういって龍宮は帰宅していった。

「さて、桜咲、大浴場とやらに行こうと思うんだけど、どうする?行くか?」
そんな事をのんきな声で長谷川さんがいう。

しかし、一つ確かめておかないといけない、会った時…いや気配を察知した瞬間から感じてる危険な感じ…
笑顔で話している今まさにこの瞬間でさえ、感じる彼女の恐ろしさについて。

「…あの、長谷川さん、貴方は『何』ですか?」
「ん〜質問の意味がよくわからないな」
そう気楽な言葉を返す長谷川さん、しかし振り返ったその眼はもう笑っていない

「…質問を変えます、貴方は人を殺した事はありますか?」
「あるよ?」
「っ!」
なぜそんなことを聞くのかわからない、と言いたげな声で彼女は即答した。
その眼は質問をする前よりむしろ、なんだそんな事か、と言わんばかりに『和らいでいた』

「なぜ!なぜそんな眼でそんな事を!」

わからない、どうしてそんな眼で人を殺
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