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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第十八話 迷路
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女は紫苑が復帰するまでのクラス代表の代行も買って出た。フォルテを、という当初の千冬の提案に対して楯無は頑なに自身がやることに拘った。そのため、なおさら欠席することなど出来なかったのだ。
 しかし、彼女が身に着けている水着は皆と買い物に行ったときのものとは違っている。それは、彼女の何かしらの想いを表現しているかのようで、一緒にいったメンバーもそのことについては何も聞かなかった。

 夏休みに入ると、楯無は自身も捜索に本腰を入れる。そこで彼女はあることに気付く。
 事件と同時期に、篠ノ之束の消息が全く途絶えたのだ。今までもその所在は明らかではなかったが、何かと学園や紫苑への干渉などで、存在自体は確認できていたのだが、それが完全に消えた。それは紫苑と同じく不自然であった。まるで情報操作がされているかのように。
 そこで楯無は、この件に束が関わっている可能性を考慮に入れ、捜索範囲を広げる。それは徹底的に、束が事件の黒幕である可能性すら捨てずに行われたが、それでもたどり着くことは出来なかった。

(紫苑君……あなたは今どこにいるの……)

 最初は、自分の感情に理由をつける暇もなくただ必死に探していた。友人なのだから、探すのは当然だと。しかし、新学期に入ると学園もいつもの空気が戻ってくる。もちろん、紫苑の存在が忘れられたわけではなく、彼女たちなりに気持ちの整理ができた、ということだろう。さすがにクラスメート達は未だに引きずっている者も多いが、楯無ほどではない。フォルテ達ですら、事件当時こそ哀しみを隠しきれずにいたが今では大分落ち着いている。

 そこで、彼女は自身に違和感を抱いた。

(周りはずいぶんと簡単に気持ちに整理がつけられるのね……、紫苑君……紫音ちゃんという存在はみんなにとってその程度だったのかしら……? いや、違うわね。程度の差はあれ、みんな忘れた訳じゃない。ただ、私が拘りすぎているだけ……。でも、皆との差はなんなの……)

 今まで、人たらしと言えるほど他人の感情、心理については敏いつもりだった。いや、実際に詳しかったからこそそう言われるほどになったのだ。しかし、そんな彼女が自分のことすら理解できていない。

(みんなと私で違うところ……? 紫苑君が裏の私のことを知っている。境遇に近いところがある。ううん、そんなことじゃないわね、あとは……紫苑君の正体を知っている?)

 時間が経ち、否応なく突きつけられる現実に目を背けるわけにもいかず、漸く冷静に自分を見つめ直すことができた楯無は、こうして一つの可能性にたどり着く。

(それは紫苑君が男の子ってこと……、みんなは知らないわけで、私だけ知っている? って、え!? てことは……そ、そういうこと? えぇ!?)

 この時、初めて楯無は紫苑のことを男として認識……も
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