月光校庭のエクスカリバー
第38話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なったイッセーが言う。
これは模擬戦だし無理に戦う必要はない。だからイッセーは不戦を提案するが。
「ああ、なんて残酷な運命!聖剣の適性があって、祖国から遠い地に向かい、晴れて主の代行者としてお力になれると思ったのに。久しぶりい戻った故郷の地。そこで出会った懐かしの昔馴染みは悪魔になっていた。なんて過酷な事なの。きっとこれも主の試練なのだわ。これを乗り越えることで真の信仰にまた一歩近づけるのよ。さぁイッセー君。私のエクスカリバーで罪を裁いてあげるわ!アーメン」
こっちもこっちで盛り上がっていた。主に盛り上がっているのは紫藤だけだが。
思いっきり陶酔している。
残酷とか色々言っているが、目が輝いている。
「・・・アーシア、信者ってみんなあんな感じなのか?」
「・・・たまにいらっしゃいますね」
悪魔になっても信仰を忘れないほどの熱心な信者だったアーシアですら引いてるレベルだ。
「!! ブーステッドギア!!」
イッセーも悪寒を感じたんだろう。すぐさまブーステッドギアを出した。
それを見た紫藤はすぐさま表情を変えた。
「・・・『神滅具』!」
「『赤龍帝の籠手』か。まさかこんな極東の地で見ることになるなんてね。それに君の『魔剣創造』にアーシア・アルジェントの『聖母の微笑み』。我々が異端視している神器ばかりだ。悪魔になったのも必然と言うことか」
「僕の魔剣は同志たちの無念を想って創り上げたものだ。この剣で僕はエクスカリバーの所有者もろとも打ち砕く!」
傍にあった魔剣を抜き、ゼノヴィアに斬りかかった。
「こっちも行くわよ!」
こっちは紫藤がイッセーに斬りかかっていた。
「あぶねっ!」
初手を服が裂けるくらいで躱し、その後も攻撃を躱し、時には籠手で防いでいる。
やはり、イッセーの左手は聖剣に対して有効か。事前に提案しておいてよかった。
悪魔のみでは掠り傷ですら危険を伴う聖剣だが、ドラゴンの腕となっている左手には問題ない。
以前のライザーとの決闘で聖なる力が問題なかったから大丈夫と思っていたが確証が欲しかった。
後は倍加を済ませ、反撃に移るだけだが実践が少ないイッセーは実力を測りかねている。
かくいう俺もイッセーと同じだ。それに紫藤も本気でやっているかはわからない。
なんせ『擬態の聖剣』を刀の形状のまま使っている。
それが彼女の戦い方なのかもしれないが。
俺なら常に様々な形に変化させて相手をかく乱する使い方をすると思う。
形が不定だからこそ使い手を選ばないモノなんだろう。まぁ聖剣である適性がある時点で使い手を選んでいるわけだが。
イッセーは最初こそ焦っていたがある程度防げて余裕が出来てきたのか、顔が歪んできた。変態としての顔に。
「・・・嫌らしい顔だわ。何を考えているの?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ