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我が剣は愛する者の為に
黄巾の乱
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『間が悪い。
 このままじゃあ、街が落ちてしまう。』

「えっ、どういうこと?」

「一刀さん、今回の黄巾党は小さい集団が現れていましたが、今回は違います。
 小さい集団が集まり、大きな集団となって街を襲っているのです。
 これは誰かが指揮をして、辺りの黄巾党を集めているということです。」

華憐の説明を聞いて一刀は納得する。
張角ではないだろうが、指揮できる人物がいると言うのは非常に厄介だ。

「星の言うとおり。
 万全の状態で当たりたいけど、準備をしていれば街は落ちてしまう。
 どうしたものか・・・」

「華琳様!」

声を張り上げて華琳の名前を言ったのは、軍議が始まってから黙っていた季衣だった。

「華琳様、ボクが行きます!」

「季衣、お前は休んでいろと言っておいただろう。」

休めと言われたのにまだ半日程度しか休んでいない季衣を気遣ってか、春蘭が言う。

「華琳様、おっしゃいましたよね!
 無理すべき時はボクに無理して貰うって!
 百人の民も見捨てないって!」

「・・・・・・・・そうね、その通りだわ。
 春蘭、すぐに出せる部隊は?」

「当直の隊と、最終確認をさせている隊はまだ残っていますが。」

「なら、その部隊を率いて先発隊としてすぐに出発しなさい。
 補佐に秋蘭を付けるわ。」

「秋蘭様が?」

いつもなら立場が逆な事に、季衣は若干驚いている。

「秋蘭は最近無理をさせているから、指揮を任せたくないの。
 やれるわね、季衣?」

「はい!」

「ただし撤退の指示は必ず秋蘭に従うこと。」

「よろしく頼むぞ、季衣。」

「本体もすぐに編成出来次第向かわせる。」

華琳は桂花に部隊の編制、春蘭は朝に来る荷物を受け取りに向かわせる。
本隊の指揮は華琳、補佐は華憐。
もちろん、俺達も何もしない訳はない。

「華琳、先発隊には俺と豪鬼と一刀を同行する。
 黎は桂花の補佐をして部隊の編成を手伝い、星と月火は春蘭の代わりに部隊の編成を。
 優華と胡蝶は春蘭について行き、荷物を取りに行くのを手伝え。」

優華はぶつくさ文句を言いながらも胡蝶と共に春蘭について行く。
黎と星と月火も言われた指示を聞いて、行動に移す。

「豪鬼、お前が培った経験を頼りにしているぞ。」

「期待に応えるとしましょうか。」

「俺がついて行く理由は?」

「天の知識が必要になる場面があるかもしれない。
 俺には知らない知識、期待しているぞ。」

「縁、ちょっといい?」

一通り指示を終えた俺に華琳に呼ばれ近づく。

「今回の働き次第で、あなたの独立を手伝ってあげても良いわ。」

「・・・・・どういう風の吹き回しだ?」
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