黄巾の乱
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「落ち着いてなんかいられないよ!
みんな困っているのに・・・」
「あなたが無茶して、目の前の百人は救えるかもしれない。
でも、その先の未来にいる何万人の人を救えないのに繋がることもある。
分かるかしら?」
「じゃ、その百人を見殺しにするのですか!?」
「する訳ないでしょう!!」
華琳の強く凛とした声が部屋中に響き、季衣だけでなく俺達をも黙らせた。
「季衣、お前が休んでいる間に私がその百人を救ってやる。
だから、お前は休んでおけ。」
「そうですぞ。
季衣の周りには頼れる仲間がいるのですから、存分に頼ればいい。」
「今日の百人も救うし、明日の万人も救う。
救う為に無茶が必要なら幾らでも無茶してもらう。
でも、今はその時ではない。」
春蘭と星と華琳の言葉を聞いて季衣は下を向き、それ以降何も答えない。
実際、季衣は働きすぎていると思う。
俺が知っている中ではもう十数回は出撃しているはず。
ちなみに編成は春蘭ではなく、秋蘭になった。
彼女では情報収集なんて器用な真似が出来る筈がなく、満場一致で秋蘭になった。
季衣も自分の思いを秋蘭に託し、彼女は鎮圧に向かった。
軍議が終わり、季衣は一人で部屋を出て行き、それを見た一刀は心配になったのか様子を見に行った。
俺達も秋蘭の情報に期待しつつ、部屋に集まり地図を眺めていた。
「うーん・・・・」
桂花が軍議の時に印した所に石を置きながら考える。
それに今朝から続く黄巾党が出現した場所などにも石を置いて、俯瞰するように地図を眺める。
『どうしたの、縁様?』
「いや、黄巾党の目的をずっと考えていてな。」
黎の竹簡を見て、報告を聞いた時からずっと考えている事を口にする。
例え情報がなく、目的が分からなくても行動を鑑みて目的などが見えてくるかもしれない。
そう見えてくると思っていたのだが。
「全く見えない。」
「黄巾党の目的がかい?」
椅子に座っている俺にもたれ掛ってきながら、かつ胸を押し付けながら胡蝶は言うが俺は無視する。
無視しないと隣にいる黎や優華が鬼の形相で見ているからだ。
てか、何で優華まで怒っているんだ?
「黄巾党が出現した位置を把握したのはいいんだが、この出現に対する意図が全く見えない。
だって、こことか出てきた所で全く意味がないんだよな。」
地図の上に置いてある石を指さしながら俺は皆に意見を求める。
「もしや、私達を混乱させようとしているんじゃあ?」
「幾ら組織化してきているとはいえ、ここまで考え回らないだろ。
何より相手は飢えに困って賊にならざるを得ない事になった農民とかが大半だ。
そんな彼らが無駄になるかもしれない行動を起こす何て考
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