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【IS】昼行灯(ひるあんどん)が照らす道
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・・ふーっ・・・何だ?」

互いに肩で息をする。カークスは慣れないISの操縦とBT攻撃のダメージに、セシリアは止まないエウリードの猛攻と精神的な疲労。シールドエネルギー的にはセシリアが有利だったが、エウリードの馬鹿げた出力の前ではそうも言いきれないだろう。

「貴方は・・・どうしてそこまで強くあれますの?」
「・・・言葉の意味が解らんな」
「私の父は、母の顔色ばかり窺う情けない男でした。私の親戚の男どもは、オルコット家の遺産を突け狙う下衆な者ばかりでした。それも私がIS操縦者になったら誰も何も言わなくなった・・・女尊男卑の風潮にひれ伏しました。意地も体裁もありはしない、まるでそれが当然だとでも言う様に」
「・・・・・・」

カークスはセシリアの言葉に眉一つ動かさず、彼女の目を見つめた。
その目に、セシリアは心が焦がされるような錯覚を覚える。今まであんな目の男は見たことが無い。あんな覚悟と強い意志に満ちた目を、セシリアは人生で一度も見たことが無かった。

「貴方はどうしてそこまで強くあれますの?ISを扱えるから?男の意地?―――何があなたをそこまで駆り立てるのか、分かりませんわ」
「・・・確かに、今の世の中は男が我を通すには辛いな。私も意地を心の底に仕舞い込み、無気力に生きてきた。付いたあだ名は昼行燈・・・」
「・・・しかし、今のあなたから感じる意志の強さは・・・」
「ずっと思っていた。男だとか女だとかそう言う問題ではない。人が自分の信念を貫くには力が必要になる。だが、誰しもそれを得られるわけではない。それはISがあろうがなかろうが変わらない世界のルール・・・それが、どうしようもなく嫌だった」

言葉を切ったカークスの顔がほんの一瞬暗い影を落とす。だが次の瞬間には元の顔に戻っていた。

「だが、私は力を得た。望んですらいなかった力だが、天より承った以上は捨てられぬ。そして、数多の力を持てなかった人間の無念に恥じぬように、この力で我が「正義」を貫き通す!例えちっぽけな野望だと笑われようと、それがこの力を握った私の覚悟だ!!」

それがカークスの戦う理由。退かぬ気迫の源。ただ、自分が自分の信念を通すためだけに、彼はISに乗る。
何とも畏れ多い、この男はただ自分の為だけにISを振るうと言い切った。ただ自分一人の為だけに、身勝手にも戦い続けると。

「御託はここまでだ!!」
「・・・っ!!御出でませ、全ブルー・ティアーズ!」

重厚なその足を踏みしめたエウリードにセシリアは1号から6号までのBTを密集陣形で構えさせた。あのパワーを止めるには一点集中攻撃を於いて他にない。

「最後にこれだけ聞かせてくださいまし!貴方は・・・その『正義を貫き通す』というのがどれほど困難な事か理解していますの!?」

「このエウ
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